「孤狼の血」を見た。
ほどほどにつまらなかった。
どうしてか?
権力サイドから撮られた映画ほどつまらないものはないからだ。
権力に抗うモノの姿は哀れで悲しい。
あっちの世界にも権力者はいるし、こちら側にも圧倒的な権力者がいる。
あっちの世界の権力者がこちら側の権力に立ち向かう世界が共感を呼ぶ。
たとえ、こっち側の権力に立ち向かうこちら側の人間を描いて見せたとて
見ているものは喜ばない。
それは、世界は何も変わらない・・・そんな結論を見ている人間が感じてしまうからだ。
日本がかなりヤバイ状況を迎えている。そんな状況にも関わらず、何が何でも現状維持がいい。
そんなことを感じて生きている僕たちに
立ち止まれ!自分で考えろ!
映画監督の叫びは届かない。
いや、この映画では叫んでいない。ヤクザ映画であるにも関わらずにだ。
孤狼の血を受け継ぐものはいるのだろうか?
一匹オオカミではなく・・・・
孤独な心のままに最愛の伴侶を亡くし、子を亡くした狼は
群れ全体を考え精一杯の犠牲を払いながら奮闘し吠え続ける。
いまさら、そんな血など必要とされていないのだろう。
しかし、これは血の話なのだ。
血のつながりはなくとも、共に行動し考えた人間ならば受け継がれていく“血”なのだ。
そう信じたい。