ひょんなことからヌーベルバーグ作品を観ることになった。
フランス映画の革命・・・・なのかな?
どこの国の映画界も同じで、
ヒエラルキーで若手が注目されデビューできるチャンスは少ない。
驚くべき少額の製作費がゆえのロケと同時録音。
知恵と工夫と体力で監督の芸術を表現できるか・・・
多額の製作費をかけたからいいものが出来上がる的な思い込み。
むしろ、制約の多い不自由さの中にこそ素敵なものが生まれる。
そんなことが、ヌーベルバーグの意味だったような気がしてきた。
フランソワ・トリュフォー。
「日曜日が待ちどおしい」
「稚拙な・・・・」と言えばいいすぎかも・・・・
しかし、そうとしか言いようのない映画なのだ。
モノをはっきり言う女と、傲慢だけれど気弱な「中年男」の恋物語。
殺人がらみのサスペンスのはずなんだが、どこかコミカルで、リアリティはゼロ。
次の展開が見え見えでシナリオは「雑」。
ちょっと、ビックリさせられたのは、この男女が物語が進行していく中で
お互い惹かれ合っている空気が漂わなく・・・突然キスをするところだ。
あまりにも唐突で、ドキリとさせられる。
トリュフォーの最後の方の作品にも関わらず、
低予算映画の帰結的幻想が滲んでいる。
金はあった方がいいに決まっているし、少しは余裕も生まれる。
しかし、それが目的ではない。映画を作ることの・・・・
結果としてお金が入ってくるパターンが良い。
または、自分自身を満足させるために金が必要になった時、
シャカリキに知恵を絞ったりする。
映画の世界で生きていこうなんて思う人間は、狂人。
で、最も楽しい仕事をしているのは・・・・・
助監督。
だと、思えた映画だった。