風が変わった。
空が変わり、雲が流れた。
どんな瞬間にだって絶頂など無いんだ。
例えば君が好きな、とても好きな子と一緒になれたとしても
明日のことは分からない。
永遠の言葉の意味など、どこの町の路地を探したとしても見つかりはしないのだ。
けれど、それが欲しくて欲しくて、探し回っている。
恋するとはそんなことなのだろう。
いくつかの町角にたたずんで、その角を曲がれば見つかるかもしれない。
そんな風にして、見知らぬ町で電車から降りたっても
行き交う人たちは、微笑んでなんかくれやしない。
希望のある言葉で話してばかりいると
起きているのか、眠っているの、現実なのか、夢なのか、生きているのか、死んでいるのか・・・・
夢想するのは勝手だけれど、夜が来て朝が来ることは
誰にも変えられはしないんだ。
だから、僕は毎朝、
朝起きて初めて会う人には「おはよう」って言う。
意識せずに、そう、言える日まで
無理してでも、そう言い続ける。
しごくあたりまえだと、自分が感じるまで、
恥ずかしながら「おはよう」て言い続ける。
だから、ごくごくあたりまえに自然にゆっくりと微笑んで
「おはよう」・・・って言っておくれ。
そう、僕にだけ、聞こえるように。