歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

夜明けには魔法が必要な訳・・・・

2014-04-27 | 音楽

どんな物語にも終わりがあって、でもエンディングロールは自分で作れないんだ。

そんなことにふっと気づいて、表参道から246を青山一丁目方向に歩き始めた。

時間は夕方の6時を少し過ぎたころだった。まだ、しっかりと暗闇は町を包んでいなかったし行き交う人々はどこかせわしなげ。

ブルックス・ブラザースのビルの前にはデカい建物がなくて遠くに東京タワーが小っちゃく見えた。

アメリカの大統領が東京に昨日やってきて、今日には帰ったそうだ。そのせいなのか、金曜日の所為なのかあのタワーが星条旗色に

変わってたことを思い出した。

ベルコモンズビルを右に曲がって外苑西通りの坂を少し下った。

「MANDALA」

今夜の目的のライブハウス。南青山じゃ老舗なのかな?吉祥寺の店へは一度行ったことがあったけれどこの店は初めてだった。

ビルの地下一階。受付カウンターで品のいい女性が出迎えてくれた。

チャージは1ドリンク付きで4500円。まあ、プロの歌手料金てとこか・・・・。

ステージはさらにもう一階降りる。ちょっと安普請な豪華さ。

ステージから一番遠い席に座った。でも、正面に彼女が見える。

まだ、開演まで15分あった。

なにげに周りの客たちの顔ぶれを伺った。

男も女も、50歳以上。それなりの身なりと、少し澄した顔立ち・・・気取った人たちなのかな・・・・?

そして多分、僕もそう見えるのだろう、この空気の中では。

照明が消えた。

最初にピアニストがステージに上がる。何もはじまりはしない。そしてベーシスト。ほんのわずかの間をおいて彼女はステージに上がった。

スポットライトを浴びて、歌いだした。ブルース、マーティンの音が静かに心を和ませた。

ピアノがけだるく入ってきて、ベースが「入れて」と言った。

彼女はまるでやさぐれ男のように優しく「いいよ」と言った。

こんな調子で始まってしまったんで僕は少し動揺しながら聴くともなく耳を傾け、

身体が緩んでいくのを感じた。

そこから、1時間。休息。

思ったよりも小柄で太目な彼女に、今までのイメージとは違う何かを感じた。

多分だけど母性みたいなものなのかな・・・・守ってやらなくっちゃあ~とか、いや、そっちに行くなとか・・・

そんなお節介な気持ちみたいだ。

オトコのくせに母性なんておかしいかもしれないけれど、母親は子供をどんなことがあっても切り捨てたりはしない。

アメリカの男が憧れてばかりいる、女性蔑視感覚。

男同士の友情が男女の情愛よりもランクが上なんだってな幻想を全面否定するような気分なんだ。

彼女も女であって男感覚を持たないと生きていけなかったりしたんだろう。

どこかに女を持ち続けるというのはけっこー辛いんだ。周りの期待に応えなくっちゃならないし。

自分を正当化するためには他人の見る目や言葉を全面肯定するフリをしなければならないからね。

たぶん、開き直るってことだ。

しかし、安易に開き直ると、ホントに惚れた男が現れた時がヤバイんだよ。

身も心もボロボロになってしまう。

だから、精一杯防御姿勢を万全にして、とてつもない甘い口説きの寸前でかわし続けるんだ。

いままでに、イッパイ傷ついていればどうってことにならない。

一番ヤバイのはすべからくいい加減な男にとってとても都合のいい女になってしまうことだろう。

例えば、思いっきり酔っぱらって、オトコと一緒にタクシーに乗ってふざけたフリをしながあちこち触られたりして

思いのほかカラダが受け入れ体制に入ってしまって・・・そのまま夜を過ごしてしまう。

絶頂を迎えたあとで、我に返って、酔いも覚めてしまって、後悔。

しら~とした顔、そう、クールな顔してオトコを置いて部屋をでて。

「しまった!」

と思い。そのオトコが普段何気ない付き合いをしている人間であれば・・・

翌日、でれーとしたメールをしてきたオトコにすかさず返信をする。

「人間的に大好きです。たまに本音で語り合う関係でいたいのです。すみません」

なんて・・・・

オトコは思う、とても残念だけれど、「助かった!」・・・と。

そして、暫くたって仕事仲間と酔っぱらった席での自慢話にしてしまう。

彼女は自分のプライドを守ったことで・・・ダラダラとだらしなく付き合う女では決してない。

自分を誇りに思んだ。

でも、それが生きてるてことなんかな・・・て思うんだ。

惚れたらトコトンなんだ。でも実らぬなら・・・諦める。

泣いて泣いて叫んで泣いて愚痴ってののしって、相手を責めて自分をせめて

諦める。

そして、二度と会わないと誓う。男の住む町にも近ずかないし男の友達にも近ずかない。

未練は永遠にある。でも、忘れられる相手と巡り合うコトを思い描く。

愛してくれなかったオトコを失ったけれど、オトコは愛してくれる女を失ったんだ。

 

そんな経験がないのかもしれない。彼女は。

あるのかもしれない、でも・・・未練ばかりをため込んでるような・・・その小さな身体いっぱいに。

ライブを聴いて、フト、そんな想像をしてしまったんだ。

 

そんなコトがとても気になって、ライブハウスを出て、ベルコモンズのビルを見ながら

246を渋谷に向かって歩き始めた。

捨てられたオトコをいつまでも思い続けてダラダラ付き合っている女を

ど~も好きになれなくなっちまってる自分に気が付き始めた。


神様のまえでは、人は・・・・

2014-04-18 | 旅行

ひょんなことで名古屋へ行くことになってしまった。

新横浜から新幹線に乗り込んだのはいいけれど、仕事のモードにはなかなか切り替わらない。

無理にでも切り替えようなんてしてしまうと、肝心なときに必要な言葉がでなくなってしまう。

でも、別に自然発生的に仕事をするのがいいと言っているのではない。

あまり考えてもいい結果が生まれて来ないだけなんだ。

2時間も座席に座り込んだまま何も考えずにいることに苦痛さえ覚えなくなってしまったのには理由はない。

しかし、時間の観念なんていうのは人それぞれが違っていて、直線でもなければ曲線でもなく、過ぎ去ってしまったことなのか

これからのことなのかも、定かではない。

ただ、今があるだけなんだから・・・・。

そんなコト、考えていたら名古屋駅に到着。

迎えてくれる人が、思いのほか遅れてきたけれど気にはならなかった。

小一時間打ち合わせを済ませて、次の打ち合わせへと急いだ。

話は何の狂いもなくスムーズに運び、帰路へと・・・・。

しかし、せっかく名古屋に来たんだから、このまま真っ直ぐ帰るには芸が無さすぎる。

旅をしている気分ぐらいは味わいたい、なんて思ってしまう。

2時間も汽車に乗ると、つい、飲み食いをしてしまうのと同じなんだろう。

そんなわけで、打ち合わせ場所のすぐのところに熱田神宮。

3ヶ月前にここを訪れた時もそうしたように、足を運んだ。

今回は人っ子一人いない。確かに夕方が終わりそうな時間。

本殿への参道へ駐車場から入って鳥居をくぐったあたりから静けさはさらに増し、心がしずかになるのが実感できる。

確かに、建物の作りや、その背景、樹木、砂利道、全てが計算されているのかもしれない。

日本人が考え出した素晴らしい心のよりどころなんだろう・・・。

リラックスしていく自分を感じられるのは、そのこと自体が素晴らしい。

静けさという音楽、沈黙が安らぎなんだ。

そして静かに集中して自分の心の声に耳を傾ける。

そして、その声に従って歩き始める。

 


風が舞っているだけの夕方に・・・・

2014-04-15 | 日記

朝焼けと夕焼けとどっちが好きなんだろう?

そんなことは考えもしなかったんだ。でも、君が聞くから、少し考えた。

どちらも好きじゃない・・・・。

どうして?とは聞かないことは分かってた。

いつだって、そうなんだ。君との会話って言うのは。

一方通行。

まあ、それでもいいや!と言うのは、僕だって深く考えずに答えてしまっているんだから。

お互い、欲しい答が聞けない時にはそんなふうにしている。

苛立たせるのが好きなわけではないが、いつも謎かけ遊びを二人して楽しんでいるんだ。

そんな君と過ごす時間が永遠に続くと思っていた。

あの頃は・・・・・

ホントのところは今もって分からない。

多分どちらかが死ぬまでは分からないんだろう。

ふたり気分良く過ごせた時間は少なかった。

でも、不愉快ではなかった。

今夜は、ここまでにしておこう。とても疲れてるんだ。

おやすみ。


今、決断できなかったことがこの先できるなんてことは・・・・

2014-04-04 | 日記

世の中の流れとか、自分の周り環境とか、そんなものには流があって・・・

そんな流れに身を任せたまま生きてきたんだ。

そんな僕だから、良くわかることがあるんだ。

「ついていきます!」そう言うだけで済ませてしまう。

自分自身の意志はないわけで、あなた任せて言うほど「しおらし」さもなく、

ただ、様子見をしているだけ。

そんな人がいるんだよね。あたかも信頼しているように見せかけるのが上手いだけなんだ。

まあ、気持ちは分かるよね。シンドイんだから、身も心も、意志を持てばね。

それは、責任感だったり、プライドだったり、人それぞれが生きていくために失敗したことの言い訳を考えながら行動するんだよ。

僕はホントにお人よしのオヤジだと思うよ。

そんな根もハモない言葉に乗っかって、いい気になって、走り回ったりしてしまう。

失敗しかかって、不安になって、ふぅ~と振り返ると、もうその人はいないんだ。

「ごめんなさい!」そんな言葉を少しだけ済まなそうな顔でつぶやくだけなんだ。

それでTHE END。

でも、次に会えば「明日からも、明るく楽しく生きていきましょう。」なんて、平気で言えるのは天使か悪魔しかいない。

無神経な奴がよく眠れる理由が分かったって仕方ない。

無邪気さが無神経さに変化する瞬間を何度も見てきてしまった。

それでも、あなたを信じてがんばろう!なんてもう言えそうにないんだ。

ちょっと昔は信じることの理由を見つけることがとてもうまかったし、見つけられた。

ただ、こんな状況から抜け出す方法があるとすれば・・・・・

ただ、「決心」することだけなんだ。

走りながら考えるなんてことはありえないんだよ。

だって、走りながら考えて実現したことなんてないんだから。

だから、決めたんだ。

君なしでやり抜くことをね。