詰まらなかった。
ゴジラはやっぱ、怪獣映画なんだ。
政治家の話じゃないんだ。
どうしてかって?
リアリティにかけてるからだ…?
この映画が現代のお話であれば
誰もが気がつくはずだ。
ゴジラだって?
映画で観てない奴なんていないだろうに…
まあ、其れにしたってあんな政治家はいないだろ
うに。
失墜してしまった政治家の人気を取り戻す為の映
画としか思えない。
昭和38年。
東京オリンピック前年。
所得倍増計画スタート。
この事件を知ったのは小学生のときだった。
両親は僕の外出先を気遣ったり、友達と一緒に帰ってこいだとか・・・・
身代金を要求されるほどの立派なうちではなかったような気がする。
本田靖春。
「誘拐」
文庫本、348頁。
渾身のルポタージュ。
たぶん、読み終えるのに時間がかかりそうだなぁ~
そんな予測を見事に裏切って1日半で読み終えてしまった。
文章のテンポの良さはもちろんだけれど、
この事件の異様さがそうさせた気がした。
時代は営利誘拐捜査が近代化されていない頃のずさんさ。
それに反して科学捜査では解き明かせない事件の背景。
仮に、合理的に捜査が進んでいたとして、身代金受け渡し時に犯人が逮捕されていたとしたら・・・
犯人の動機背景などは世に知らされなかっただろうし、
この、元新聞記者もこの本を書くこともなかった。
読み終えて心動かされたのは、
高度成長期の日本。そして「東北」。
60年の時間を要しても、あまり変わらぬ人の気質。そして、土着的排他。
世界は広がっている。
誰とでもコミュニケートできる環境。
インターネットの世界などなんの役にも立たない世界が現存している。
見てくれは綺麗だけれど、
どろっとした、コールタールのような粘着を持った人の心は
美しい水田の風景に反比例して日々積み重なっていってるような気がする。
小原保。
吉展ちゃん誘拐事件の犯人。
自供に導いた平塚八平衛。(府中3億円強奪事件捜査員)
狩人である刑事と犯罪者。犯人を追ううちに犯人の心情に傾いていく
そんな姿が文章行間に感じられる。
小原保の生きた環境はあまりにも赤貧すぎ、よくも生き抜き上野駅に立ったと思う。
ただ、小心が故に小さな嘘が嘘を呼び、50万円の借金のために追い詰められてしまう。
そんな、彼の弱者として言い分が大切なわけではない。
事件は起こるべくして起こっている。
何もかも浮かれた気分でいられたし、
ひとりひとりが深く物事を考えることを止めにした時代なんだ。
「めんどくさいことは私たちがヤル。諸君らは、考えることなく必死に働きなさい!」
そして、今も、姿形は全く違うにしても、同じことが繰り返し行われようとしている。