みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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四月大歌舞伎昼の部 『伽羅先代萩』

2009年04月26日 | 歌舞伎
 24日鑑賞。

 この日は夕方から渋谷松涛での観能と合わせての観劇日程だったので、せっかくの通し上演ですが、床下までの観劇となりました。
 伊達藩のお家騒動を描いた『伽羅先代萩』は玉三郎さんが政岡の初役をなさった時に見ています。仁左衛門さんが仁木弾正をなさって、その時は学生でしたが無理をして一等席にして観劇した思い出があります(笑)その時は仁左衛門さんは仁木のみでしたが、今回は八汐と細川勝元の2役。かねてより見たかった仁左衛門さんの八汐、そして玉三郎さんの政岡の再見というのも楽しみでした。

 今回は、以前見たときにはなかった『竹の間』が入ったので、『御殿』での鶴千代と千松の関係、そして二人と政岡それぞれの関係がより生きたように感じました。命を狙われている鶴千代に差し出された毒入りの菓子を食べて、さらには毒入りということをごまかすためにあのような形で惨殺されて、現代人的には「ひどい!」と思うかもしれませんが・・・主従だけではないものもきっとあったのだろうな・・・と思ってしまいました。『竹の間』や飯炊きの場があるからこその悲劇性がより生きてきたのかなと思いました。(とはいえ・・・飯炊きの場面は・・・疲れていたのか・・・途中意識を失ってしまいました・・・。)
 玉三郎さんの政岡は初役の時は、強さというものを感じましたが、今回はその時よりも、気丈さはもちろんですが、母親の哀れさというものも感じました。息子である千松が八汐に無残にも手をかけられて驚くも、もちろん駆け寄りたいでしょうけど冷静に対処するのは、これ以上悲劇を起さないため・・・とも思いますし・・・それがお家のためでもあるのでしょうけれど。そして仁左衛門さんの八汐は怖かったですね~。「時鳥殺し」の目がギラギラ光っていた百合の方も怖かったですが、こちらも残忍で・・・。ファンとしては複雑になるくらいの憎々しさでしたね。床下は荒獅子男之助の三津五郎さんが贅沢でしたね。3階B席からでしたので、仁木弾正の出があまり見えずに残念でした。

 仁左衛門さんの仁木ももう一度見たいなぁ・・・『刃傷』の場面は本当すごかったんですから!ということで歌舞伎座を後にして松涛へ向かいました・・・。