『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

万城目学/著

　万城目氏の最新作を読みました。（『プリンセス・トヨトミ』は未読ですが。）とても読みやすく、さらっと１時間くらいで読了。奇想天外だけど歴史や史跡に関するネタなどがちりばめられているのが万城目ワールドの特徴ですが、これはファンタジーではありますが今までのものよりも奇想天外度は少ないでしょうか。
　小学校１年生になったばかりの、かのこちゃん。外国語を話す猫のマドレーヌ夫人。とあらすじに書いてあるので、てっきりかのこちゃんとマドレーヌ夫人が会話できるのかと思ったら違いました。かのこちゃん一家と周りの人たちの普通のようで、ちょっと不思議な日常生活・・・。なんだかとても優しいお話しでした。
　特に犬や猫を飼っている人はウルウルきてしまうところもあるので、電車の中などで読まないようにしましょう。（経験者は語る。）老犬・玄三郎と猫・マドレーヌの種を超えた夫婦の愛情には感動します。

　そして、かのこちゃんの名前の由来のエピソードでは、万城目ファンなら絶対に「かのこちゃんのお父さんは！！！」と思うはずです。

　くすっと笑えるところもあれば、ほっこり心が温かくなる・・・。そんな素敵なお話しでした。