学校帰りの森陰で
泉
学校から茂平までは遠かった。
峠の手前に泉が湧いていた。
その泉に降りて行って手酌で水を飲んでいた。
泉の水は・・・当然ながら・・・塩分がまったくなく、
塩辛い水に慣れていた茂平の子にとっては名水だった。
女の子も、男の子もその泉の水を飲んでいた。
しかし学校へ行くとき、泉で飲む子は誰もいなかった。
野苺
帰り道は腹が減っていた。
道べりには、春から夏に野苺があった。
その野苺をつまんでは食べた。
しかし、野苺は実が小さく
食べても食べても腹の足しになることはなかった。
三太郎
用之江から茂平になり、道べりにTくんちの畑があった。
その畑は李が植えてあり、初夏に三太郎が食べごろになった。
その頃は、意識してTくんといっしょに帰っていた。
その訳は、Tくんが畑に入って三太郎を取って食べることがあり、その時は一個渡してくれた。
三太郎は、噛むときにプシッと皮を破る音がするのが好きだった。
すっぱい味もよかった。
その頃父に、
「ウチにも三太郎を植えてほしい」と言った。
父はすぐに植えてくれたが、木が成長して実がなる頃(高校生になっていた),
もう三太郎に興味はなくなっていた。
泉
学校から茂平までは遠かった。
峠の手前に泉が湧いていた。
その泉に降りて行って手酌で水を飲んでいた。
泉の水は・・・当然ながら・・・塩分がまったくなく、
塩辛い水に慣れていた茂平の子にとっては名水だった。
女の子も、男の子もその泉の水を飲んでいた。
しかし学校へ行くとき、泉で飲む子は誰もいなかった。
野苺
帰り道は腹が減っていた。
道べりには、春から夏に野苺があった。
その野苺をつまんでは食べた。
しかし、野苺は実が小さく
食べても食べても腹の足しになることはなかった。
三太郎
用之江から茂平になり、道べりにTくんちの畑があった。
その畑は李が植えてあり、初夏に三太郎が食べごろになった。
その頃は、意識してTくんといっしょに帰っていた。
その訳は、Tくんが畑に入って三太郎を取って食べることがあり、その時は一個渡してくれた。
三太郎は、噛むときにプシッと皮を破る音がするのが好きだった。
すっぱい味もよかった。
その頃父に、
「ウチにも三太郎を植えてほしい」と言った。
父はすぐに植えてくれたが、木が成長して実がなる頃(高校生になっていた),
もう三太郎に興味はなくなっていた。