ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ヴィクター・デメ@渋谷タワーレコード

2010-10-13 19:28:26 | ワールド・ミュージック
今日は渋谷タワレコへ、先日野音で行われたWORLD BEAT 2010 でもエネルギッシュなパフォーマンスで盛り上げてくれたヴィクター・デメのインストア・ライヴを見に来ています。今、開演待ち。ステージにはコラとパーカッションが用意されています。楽しみです!



帰宅後追記:

西アフリカ・ブルキナファソ出身のヴィクター・デメ。40代半ばにしてデビューを飾ったアフリカン・シンガー・ソング・ライター。先日、日比谷野音で行なわれた「WORLD BEAT 2010」では、観客総立ちによる濃密な盛り上がりを見せたヴィクター・デメですが、インストア・イベントとなると、意外とアコギの弾き語りとか、そんな感じになるのかと思いきや、しっかりバンドセットでした。と言っても、アコギ2本、コラ、パーカッションというアコースティックな編成ですけどね。曲目も緩やかな曲中心で、終始和やかな雰囲気でした。ヴィクターの哀愁溢れる歌声をじっくりと堪能出来ました。この人、ホント独特の味わいを持っていますよね。で、歌っているときの振る舞いがまた自由すぎて面白かったです。1曲目「Deen wolo mousso」では歌い始めるやいなやステージを降り、たまたま空いていた最前列中央の席に腰をおろして、しばし座りながら歌ったり。最前列付近の人達はいきなりな出来事にびっくりしてました。そして立ち上がってからもステージには戻らず、袖の辺りをぶらぶらしながら歌ってました。で、曲が終わるごとにまたその席に座って笑いをとってました。ある曲では客席に居た可愛い女の子をステージに上げ、間奏では向かい合って踊ってみたり。ラストの「Maa gaafora」では、座っている観客達に「立って!」というアピール。え?インストアで?観たいな。結局総立ちで腕を振りながら盛り上がりました。しかし「Maa gaafora」は良い曲ですね。開放感溢れる陽性なメロディーなんですけど、サビは切ない感じになるという、で、そのサビを歌うヴィクター・デメがまた良い声なんですよ!

バックの演奏も流石でしたね。二人のギタリストももちろん上手いですし、コラの音色も素晴らしかったですね。そしてあのパーカッション(写真右)。拳で叩いて低い音を出し、手に持った小さな球のような物で高音を出すんですけど、ヴィクター・デメのライヴではこれが結構重要なんですよね。素朴ながら躍動感溢れるリズムを叩き出していました。

野音で観たアゲアゲな感じも良いですけど、この日のような緩やかなセッションも良いですね。なんかアフリカの空気と言うか、土の匂いのような物を感じさせてくれました。




VICTOR DEME / VICTOR DEME

ソロモン・バークを偲ぶ

2010-10-13 16:24:48 | ソウル、ファンク
SOLOMON BURKE / NOTHING'S IMPOSSIBLE

今年の5月に、奇跡の初来日を果たし、圧巻のライヴを披露してくれたキング・オブ・ソウルこと、ソロモン・バークが亡くなられました。10月10日、オランダ・スキポール空港に到着した機内で亡くなられていたそうです。ロスアンジェルスからアムステルダムへ、自身のコンサートのため向かっていた飛行機内で。

近年、精力的に傑作アルバムをリリースしつづけ、先の来日公演も椅子に座ってのステージとは言え、その歌声やパフォーマンスはとても元気でした。そのライヴからまだ半年も経っていないのに、まさか亡くなられるとは…。信じられません…。

1940年3月21日フィラデルフィアの生まれ。幼い頃こら教会で説教を行なっていたそうです。そして1960年にアトランティックと契約。61年の「Just Out of Reach」を皮切りに「Cry to Me」、「If You Need Me」、「Down In The Valley」、「Everybody Needs Somebody to Love」、「Got To Get You Off My Mind」、「Take Me (Just As I Am)」など、次々にヒットを飛ばしました。また「Everybody Needs Somebody to Love」はローリング・ストーンズのカヴァーでも知られますが、ミック・ジャガーの歌唱なんかは、かなりソロモンの影響が濃いですよね。

その後、ヒットに恵まれない時期にも作品を残し続け、2001年にはロックン・ロールの殿堂入りを果たしました。そして2002年にはプロデューサーにジョー・ヘンリーを起用した傑作「DON'T GIVE UP ON ME」をリリース。これがグラミー賞「Best Contemporary Blues Album」部門を受賞し、キング・ソロモンの完全復活を印象づけると、その後もドン・ウォズがプロデュースした「MAKE DO WITH WHAT YOU GOT」、バディ・ミラーがプロデュースしたカントリー作「NASHVILLE」、スティーヴ・ジョーダンがプロデュースし、多彩なゲストも話題になった「LIKE A FIRE」など、力作を次々にリリース。00年代はまさにキング・ソロモン第2の黄金期でしたね。

いわゆるソウル・レジェンドと呼ばれる人達の全盛期を知らない私達にとって、ソロモン・バークは現役でソウルのなんたるかを教えてくれた唯一の人と言っても良い存在でした。今でも活躍しているレジェンドは沢山いらっしゃると思います。ですがソロモン・バークのように、その衰え知らずな歌声もさることながら、注目の新作をコンスタントに発表し続けてくれたアーティストは他にいませんからね。私もソロモンの新作をいつも楽しみにしていまし、期待に裏切られることはありませんでした。最新作となるのは、ウィリー・ミッチェルをプロデューサーに招くという奇跡のコラボが実現した「NOTHING'S IMPOSSIBLE」。このアルバムがリリースされる数ヶ月前にウィリー・ミッチェルは亡くなられてしまい、私もこのアルバムを聴きながら感慨に耽ったものです。ですがまさかその数ヶ月後に今度はソロモン・バークも亡くなられてしまうとは…。

しかしソロモン・バークは今年5月に奇跡の初来日公演を実現してくれました。初来日ですからね! これはホント、凄いライヴでしたよ! バック・バンドは15人編成だったかな?そんな破格な大所帯で聴かせる破格のソウル・ショー! もちろん名曲連発ですし、艶やかでふくよかで円やかな歌声、そして半端ない声量、もう何もかもが素晴らしかった! 今は「こんな凄いものを見せてくれてありがとうございました!」という気持ちでいっぱいですね。もちろん再来日もして欲しかったですけど…。

もうソロモン・バークの新作が聴けないと思うと、本当に寂しいですね。ですがSoul Searcher 吉岡正晴さんのブログによりますと、ソロモン・バークはアムステルダムのロックバンド、デ・ダイク(De Dijk)と共に『ホールド・オン・タイト』というアルバムをレコーディングしていたそうで、アムステルダムで予定されていたライヴは、そのデ・ダイクとのリリース記念ライヴだったそうです。このアルバム、日本でも発売して欲しいですね~。


↓80年代のテレビ収録のライヴ映像のようです。とにかく巨大。身体も大きいですが、その歌が大きい! そして濃い! こんな風に歌える人、今は居ませんよね~。
Solomon Burke - I Can't Stop Loving You (1987)



ソロモン・バークさん、安らかに。



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 10.06.02 JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL(ソロモン・バーク編)
 10.05.27 ソロモン・バーク黄金期
 10.05.25 ソロモン・バークの新作「NOTHING'S IMPOSSIBLE」