MARC RIBOT Y LOS CUBANOS POSTIZOS / MUY DIVERTIDO (VERY ENTERTAINING!)
さて、なんだかんだでフジロックから早一ヶ月半が過ぎてしまったこの頃。今日からフジテレビNEXTでの放送もあることですし、そろそろ我がブログも重い腰を上げて、恒例のベストアクト企画でもやってみようかみたいな。もちろん、グリーン・ステージはほとんど見ていない「ルーツな日記」流の、めちゃくちゃ趣味に偏ったベストアクトです。そんな訳で、それではいってみましょう!まず今回は第5位から!
フジロック・ベストアクト、第5位! マーク・リボーと偽キューバ人達!!!
やっぱりね、このマーク・リボーと偽キューバ人達が出演アーティストに発表された瞬間、今年のフジのブッキングは切れてるな~!と思いましたよ! なにせこのマーク・リボー程、特異な立ち位置にいるギタリストはそうはいませんからね。どんなギタリスト?って聞かれても結構困りますよ。基本的にはフリー・ジャズや実験音楽フィールドの人というイメージが強い人でありながら、80年代のトム・ウェイツ、エルヴィス・コステロなどを皮切りに、最近はロバート・プラント&アリソン・クラウス、アラン・トゥーサン、バディ・ミラー、エルトン・ジョン&レオン・ラッセルなどなど、ルーツ系アーティストとの共演を重ねているという御仁。個人的にはノラ・ジョーンズ、ジョリー・ホランド、マデリン・ペルー、サハラ・スミスなど、近年の女性シンガー・ソング・ライター作品での仕事ぶりもツボ! 日本では矢野顕子のバックでも知られますね。まあ、とにかくジャンルを横断しつつ、ルーツ・ミュージックへの造詣の深さを前衛的な感覚で噛み砕いていく、まったくもって異次元のギタリストなのです。T・ボーン・バーネットやジョー・ヘンリーといった名プロデューサーの信頼も厚く、参加クレジットに彼の名前を見つけただけで、その作品の“面白さ”と“質の高さ”が保証されるような、そんなマーク・リボー。
その彼が、フジロックには自身のバンド、マーク・リボーと偽キューバ人達として出演。もちろんこのマーク・リボー、自身のソロ作も沢山出しています。マーク・リボーと偽キューバ人達名義でも、98年の「THE PROSTHETIC CUBANS」、2000年の「MUY DIVERTIDO」(写真)と、2枚のアルバムがリリースされています。プロジェクト名に“キューバ”とある通り、キューバ音楽な訳ですが、そこはマーク・リボー、なかなか一筋縄には行きません! 何せ“偽キューバ人達”ですから!
マーク・リボーが出演したのは7月30日(土)オレンジコート。後ろにコンゴトロニクス VS ロッカーズを控えたトリ前の位置。私はこの日、JOJO SWING QUINTET、ビッグ・ウィリーズ・バーレスクと最奥の小屋カフェ・ド・パリを楽しみ、ヘヴンでトッド・ラングレンを少し観た後、オレンジコートへ。そんな流れ。
さて、エスニックなオブジェの光と屋台の灯りが映える夜のオレンジコート。いよいよマーク・リボーと偽キューバ人達がステージに現れる。当初予定されていたメンバーは、Anthony Coleman(Kbd)、Brad Jones(B)、EJ Rodriguez(Per)、という先の2枚のアルバムの録音メンバー達に、本物のキューバ人であるHoracio "El Negro" Hernandez(Dr)を加えた4人+マーク・リボーという5人編成。しかしベースのBrad Jonesは来日が出来なくなったそうで、その代役としてShahzad Ismailyが来ていたようです。この人はMarc Ribot's Ceramic Dogのメンバーとのことですが、個人的にはジョリー・ホランドの最新作での活躍ぶりが印象的な方。
さて、正直な話、セットリスト等、細かいことは何一つ覚えていません…。ただただ、ラテンのリズムに切れ込んでいくようなマーク・リボーのギターが凄過ぎました! ステージ向かって左側の椅子に腰掛けながら、体を大きく揺さぶりつつ一心不乱にギターを掻きむしるマーク・リボー。そのギラギラと歪んだギターの音色からして相当エグイのですが、絶妙のタメとつんのめった感覚を繰り返すような独特のタイム感で、引っ掻くように繰り出されるフレージングのエグさと言ったら堪らない! どうやったらあんな風にギターが弾けるんでしょうね?
完全にラテンを逸脱し、空間をのたうち回るようにフリーキーに凶暴化するギター・ソロも凄かったですが、「Carmela Dame La Llave」のようなアップ・テンポ曲でのギター・リフの格好良いこと! やっぱりリズムの捉え方が強烈で、ホント痺れました! また「Aqui Como Alla」のようなムードのある曲で聞かせる、いびつながら情緒豊かな感性にも引き込まれましたね。私の大好きな、アルバム「MUY DIVERTIDO」のオープニングを飾る「Dame Un Cachito Pa'Huele」も演ってくれましたしね!この曲のギター・ソロも強力だったな~。
もちろんバックの演奏も素晴らしかったです。なんといってもオラシオ・エルナンデスとE.J.ロドリゲス! この二人のリズムは腰にきましたね~! 特にオラシオ・エルナンデスはその方面でのマニアックな人気もありそうなので、マーク・リボーのバックでこの人を観れたのはお得だったかも? またアンソニー・コールマンの鍵盤も良かったですね~。あ、そうそう、マーク・リボーの歌声も洒落っ気があってキュートでした。
この後、偽キューバ人達ご一行は、トムズ・キャビンの「新・聴かずに死ねるか!シリーズ」として日本ツアーを行い、最終日8月4日の渋谷クアトロ公演は、大入り満員の大盛況で幕を閉じたそうです。
下のリストはsetlist.fmというサイトで見つけたフジロックのセットリスト。先に書いた通り、私はセットリストについてほとんど覚えていないのですが、こんな感じだったようです。(信憑性についても分かりませんので、間違ってましたらごめんなさいね。)
01. Los Teenagers Bailan Changui
02. Jaguey
03. Fiesta En El Solar
04. Dame Un Cachito Pa'Huele
05. Como Se Goza En El Barrio
06. Carmela Dame La Llave
07. Aqui Como Alla
08. Postizo
09. Aurora En Pekin
10. El Divorcio
11. Choserito Plena
さて、なんだかんだでフジロックから早一ヶ月半が過ぎてしまったこの頃。今日からフジテレビNEXTでの放送もあることですし、そろそろ我がブログも重い腰を上げて、恒例のベストアクト企画でもやってみようかみたいな。もちろん、グリーン・ステージはほとんど見ていない「ルーツな日記」流の、めちゃくちゃ趣味に偏ったベストアクトです。そんな訳で、それではいってみましょう!まず今回は第5位から!
フジロック・ベストアクト、第5位! マーク・リボーと偽キューバ人達!!!
やっぱりね、このマーク・リボーと偽キューバ人達が出演アーティストに発表された瞬間、今年のフジのブッキングは切れてるな~!と思いましたよ! なにせこのマーク・リボー程、特異な立ち位置にいるギタリストはそうはいませんからね。どんなギタリスト?って聞かれても結構困りますよ。基本的にはフリー・ジャズや実験音楽フィールドの人というイメージが強い人でありながら、80年代のトム・ウェイツ、エルヴィス・コステロなどを皮切りに、最近はロバート・プラント&アリソン・クラウス、アラン・トゥーサン、バディ・ミラー、エルトン・ジョン&レオン・ラッセルなどなど、ルーツ系アーティストとの共演を重ねているという御仁。個人的にはノラ・ジョーンズ、ジョリー・ホランド、マデリン・ペルー、サハラ・スミスなど、近年の女性シンガー・ソング・ライター作品での仕事ぶりもツボ! 日本では矢野顕子のバックでも知られますね。まあ、とにかくジャンルを横断しつつ、ルーツ・ミュージックへの造詣の深さを前衛的な感覚で噛み砕いていく、まったくもって異次元のギタリストなのです。T・ボーン・バーネットやジョー・ヘンリーといった名プロデューサーの信頼も厚く、参加クレジットに彼の名前を見つけただけで、その作品の“面白さ”と“質の高さ”が保証されるような、そんなマーク・リボー。
その彼が、フジロックには自身のバンド、マーク・リボーと偽キューバ人達として出演。もちろんこのマーク・リボー、自身のソロ作も沢山出しています。マーク・リボーと偽キューバ人達名義でも、98年の「THE PROSTHETIC CUBANS」、2000年の「MUY DIVERTIDO」(写真)と、2枚のアルバムがリリースされています。プロジェクト名に“キューバ”とある通り、キューバ音楽な訳ですが、そこはマーク・リボー、なかなか一筋縄には行きません! 何せ“偽キューバ人達”ですから!
マーク・リボーが出演したのは7月30日(土)オレンジコート。後ろにコンゴトロニクス VS ロッカーズを控えたトリ前の位置。私はこの日、JOJO SWING QUINTET、ビッグ・ウィリーズ・バーレスクと最奥の小屋カフェ・ド・パリを楽しみ、ヘヴンでトッド・ラングレンを少し観た後、オレンジコートへ。そんな流れ。
さて、エスニックなオブジェの光と屋台の灯りが映える夜のオレンジコート。いよいよマーク・リボーと偽キューバ人達がステージに現れる。当初予定されていたメンバーは、Anthony Coleman(Kbd)、Brad Jones(B)、EJ Rodriguez(Per)、という先の2枚のアルバムの録音メンバー達に、本物のキューバ人であるHoracio "El Negro" Hernandez(Dr)を加えた4人+マーク・リボーという5人編成。しかしベースのBrad Jonesは来日が出来なくなったそうで、その代役としてShahzad Ismailyが来ていたようです。この人はMarc Ribot's Ceramic Dogのメンバーとのことですが、個人的にはジョリー・ホランドの最新作での活躍ぶりが印象的な方。
さて、正直な話、セットリスト等、細かいことは何一つ覚えていません…。ただただ、ラテンのリズムに切れ込んでいくようなマーク・リボーのギターが凄過ぎました! ステージ向かって左側の椅子に腰掛けながら、体を大きく揺さぶりつつ一心不乱にギターを掻きむしるマーク・リボー。そのギラギラと歪んだギターの音色からして相当エグイのですが、絶妙のタメとつんのめった感覚を繰り返すような独特のタイム感で、引っ掻くように繰り出されるフレージングのエグさと言ったら堪らない! どうやったらあんな風にギターが弾けるんでしょうね?
完全にラテンを逸脱し、空間をのたうち回るようにフリーキーに凶暴化するギター・ソロも凄かったですが、「Carmela Dame La Llave」のようなアップ・テンポ曲でのギター・リフの格好良いこと! やっぱりリズムの捉え方が強烈で、ホント痺れました! また「Aqui Como Alla」のようなムードのある曲で聞かせる、いびつながら情緒豊かな感性にも引き込まれましたね。私の大好きな、アルバム「MUY DIVERTIDO」のオープニングを飾る「Dame Un Cachito Pa'Huele」も演ってくれましたしね!この曲のギター・ソロも強力だったな~。
もちろんバックの演奏も素晴らしかったです。なんといってもオラシオ・エルナンデスとE.J.ロドリゲス! この二人のリズムは腰にきましたね~! 特にオラシオ・エルナンデスはその方面でのマニアックな人気もありそうなので、マーク・リボーのバックでこの人を観れたのはお得だったかも? またアンソニー・コールマンの鍵盤も良かったですね~。あ、そうそう、マーク・リボーの歌声も洒落っ気があってキュートでした。
この後、偽キューバ人達ご一行は、トムズ・キャビンの「新・聴かずに死ねるか!シリーズ」として日本ツアーを行い、最終日8月4日の渋谷クアトロ公演は、大入り満員の大盛況で幕を閉じたそうです。
下のリストはsetlist.fmというサイトで見つけたフジロックのセットリスト。先に書いた通り、私はセットリストについてほとんど覚えていないのですが、こんな感じだったようです。(信憑性についても分かりませんので、間違ってましたらごめんなさいね。)
01. Los Teenagers Bailan Changui
02. Jaguey
03. Fiesta En El Solar
04. Dame Un Cachito Pa'Huele
05. Como Se Goza En El Barrio
06. Carmela Dame La Llave
07. Aqui Como Alla
08. Postizo
09. Aurora En Pekin
10. El Divorcio
11. Choserito Plena