AMADOU & MARIAM / WELCOME TO MALI
フジロック・ベストアクト第3位! マリ出身の盲目夫婦、アマドゥ&マリアムで~す!!
これはね~、個人的に今年のダークホースでしたね。いや、期待はしていましたよ。ですがここまで格好良いとは思わなかった。良い意味で期待を裏切ってくれましたね。当初の予定ではアマドゥ&マリアムは30分程で切り上げ、隣で始まるサム・ムーアを観に行く予定でしたが、結局アマドゥ&マリアムを最後まで観てしまいましたからね。嗚呼、サム・ムーア!!と思いながらも、アマドゥ&マリアムのあまりの格好良さにその場から離れることが出来なかったのです。
アマドゥ&マリアムが出演したのは初日の7月29日、フィールド・オブ・ヘヴンにて19時からでした。しかしホワイト・ステージでは18時50分からリー・ペリー&マッド・プロフェッサーが、そしてオレンジ・コートでは19時30分からサム・ムーアが始まるという、個人的激戦区でして、結局私は、歴史的なダブ・マスターとソウル・レジェンドを諦めてこのアマドゥ&マリアムを観てしまった訳です。
まず、二人の見た目の格好良さに驚きました! 淡い色合いの民族衣装のような上下にサングラス。ただマイクの前に二人並んで立っているだけで妙なオーラがある。夫婦それぞれが歌うツイン・ヴォーカルで、夫のアマドゥはエレキ・ギターを弾きながら。バック・バンドはドラムス、パーカッション、キーボード、ベース、DJ、という布陣に2人の女性ダンサーが付く。で、このバンドの出す音がまた格好良い!!
アマドゥ&マリアムの音楽は、 バンバラ・ミクスチャーなどと呼ばれたりします。このバンバラとはマリに居住する部族名。つまり、バンバラの伝統音楽にロック、ブルース、ファンク、レゲエなどをミックスしたスタイルという訳ですが、これがライヴで聴くと事の他ソウルフルなんですよ! アフリカ音楽とは思えないアーバンな黒さ溢れるグルーヴにはゾクゾクさせられましたね。何せメンバーにDJがいるぐらいですから! でもよく聴くと独特のビヤビヤとした音色で弾くアマドゥのギターはアフリカらしい反復フレーズだったりするから面白い! さらにそれが独特のサイケデリック感を生み出す。その上に突き抜けるような力強さと土っぽい素朴さが同居したような二人の歌声が響き渡る。そして二人の女性ダンサーが肉感的に踊りまくる。
特に印象的だったのは最新作からの「Africa」ですね。 “アフリカー!アフリカー!” と歌われるサビの昂揚感は堪らないものがありました。その歌詞が分からずとも、アフリカ人としてのアイデンティティが濃密に伝わってくるようで、弾力のあるバックの演奏とも相まって、否が応でも熱気に包まれていく。そして「Masiteladi」も圧巻。この曲はおそらく、この夜の演奏曲中最もアップ・テンポの曲だったと思うのですが、アマドゥのギター・ソロが最高でした! 強力なギター・ブレイクから長尺ソロに雪崩れ込む訳ですが、体を微妙に斜めに傾けながら弾きまくるアマドゥは完全にロックでした! ドラムスとパーカッションが要所要所で後ろから鼓舞するように畳み掛けると、まるでその都度加速するようなアマドゥのギター。そしてコード進行が一巡するたびに終わりそうで終わらないスパイラルが生み出すカタルシス。アマドゥ、熱い!!
他には「Welcome to Mali」や「Batoma」など最新作からの曲が目立ちました。で、どの曲も大抵、イントロがなるとマリアムが「ショー!ショーッ!」(実際、何と言ってるかはよく分かりません…)という掛け声をあげるのが印象的でしたね。あとアマドゥのギターをバックに、彼の坊主頭をなでなでしながらマリアムが愛おしそうに歌う素朴な曲もあったり。それがまた堪らない味わいだったのですが、曲名は分かりませんでした…。なんか盲目夫婦のこれまでの二人三脚振りが偲ばれる雰囲気でしたね。
WIKIによりますと、二人は1980年に結婚し、と同時に共に音楽活動を始めてるそうですね。なのでその活動暦は意外に長いんですよね~。もちろん結婚する以前からそれぞれ音楽はやっていたことでしょうし、目の見えない二人にとって、音楽は生活そのものだったかもしれませんね。そして二人の人気を世界的に決定付けたのは、やはりマヌ・チャオがプロデュースした05年作「DIMANCHE A BAMAKO」でしょう。私もアマドゥ&マリアムを知ったのはこのアルバムからでした。この夜もこのアルバムから、確か「Beaux Dimanches」だったかな? DJが刺激的なビートを提供し、そこにアマドゥのギターが絡んでいく感じが格好良かったですね~。でも残念ながら、私を含めて多くの人が期待していたであろうマヌ・チャオの飛び入りはありませんでしたけどね…。
終盤はパーカッショニストがジャンベを叩きまくったり、ダンサーが踊りまくったり、みたいないかにもアフリカンな響宴が繰り広げられ、ヘヴンの盛り上がりも最高潮となっていった訳ですが、私の頭の中では今頃オレンジではアム・ムーアが! どうしよう、どうしよう、と思いつつ、初めは前から2列目で観ていたものの、じりじりと後ろに下がりながらいつでもオレンジに向かう準備は出来ていたものの、結局はアマドゥ&マリアムのステージに背を向けることが出来ず、最後まで見届けてしまったのでした。いや~、最高でした!アフリカン・パワー、恐るべし!
この後、私はフィールド・オブ・ヘヴンのトリを務めたワイドスプレッド・パニックを堪能し、帰路についた訳ですが、その帰り道、ちょろっと場外のパレス・オブ・ワンダーを覗いたところ、パレス・テントでたまたまアマドゥ&マリアムがライヴ中だったんですよ! 最後の方しか見れませんでしたが、ここではバンド無しの二人だけのステージで、ヘヴンの時とはまた違う、アフロ・ブルースな世界を感じさせてくれて凄くよかったです。もう少し急いで帰って、ちゃんと見ればよかった…。
ちなみに私は流石に体力の限界で、このパレスのアマドゥ&マリアムを観て帰りましたが、その次に登場したMO DJ、実はこの人もマリ出身で、近年はネナ・チェリーやフランツ・フェルディナンドのリミックスを手がけたりなどで人気な方だそうですが、実は彼こそアマドゥ&マリアムのバンドでDJを務めるその人だったり。そしてその次に当日発表のVERY SPECIAL GUESTとしてエントリーされたのがマヌ・チャオ。この流れはさすがパレスな濃密さですよね~。体力があれば観たかったです…。見られた方、羨ましい~。
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
11.09.19 フジロック・ベストアクト第4位! ウィルコ
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11.08.05 フジロックの10曲!
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これはね~、個人的に今年のダークホースでしたね。いや、期待はしていましたよ。ですがここまで格好良いとは思わなかった。良い意味で期待を裏切ってくれましたね。当初の予定ではアマドゥ&マリアムは30分程で切り上げ、隣で始まるサム・ムーアを観に行く予定でしたが、結局アマドゥ&マリアムを最後まで観てしまいましたからね。嗚呼、サム・ムーア!!と思いながらも、アマドゥ&マリアムのあまりの格好良さにその場から離れることが出来なかったのです。
アマドゥ&マリアムが出演したのは初日の7月29日、フィールド・オブ・ヘヴンにて19時からでした。しかしホワイト・ステージでは18時50分からリー・ペリー&マッド・プロフェッサーが、そしてオレンジ・コートでは19時30分からサム・ムーアが始まるという、個人的激戦区でして、結局私は、歴史的なダブ・マスターとソウル・レジェンドを諦めてこのアマドゥ&マリアムを観てしまった訳です。
まず、二人の見た目の格好良さに驚きました! 淡い色合いの民族衣装のような上下にサングラス。ただマイクの前に二人並んで立っているだけで妙なオーラがある。夫婦それぞれが歌うツイン・ヴォーカルで、夫のアマドゥはエレキ・ギターを弾きながら。バック・バンドはドラムス、パーカッション、キーボード、ベース、DJ、という布陣に2人の女性ダンサーが付く。で、このバンドの出す音がまた格好良い!!
アマドゥ&マリアムの音楽は、 バンバラ・ミクスチャーなどと呼ばれたりします。このバンバラとはマリに居住する部族名。つまり、バンバラの伝統音楽にロック、ブルース、ファンク、レゲエなどをミックスしたスタイルという訳ですが、これがライヴで聴くと事の他ソウルフルなんですよ! アフリカ音楽とは思えないアーバンな黒さ溢れるグルーヴにはゾクゾクさせられましたね。何せメンバーにDJがいるぐらいですから! でもよく聴くと独特のビヤビヤとした音色で弾くアマドゥのギターはアフリカらしい反復フレーズだったりするから面白い! さらにそれが独特のサイケデリック感を生み出す。その上に突き抜けるような力強さと土っぽい素朴さが同居したような二人の歌声が響き渡る。そして二人の女性ダンサーが肉感的に踊りまくる。
特に印象的だったのは最新作からの「Africa」ですね。 “アフリカー!アフリカー!” と歌われるサビの昂揚感は堪らないものがありました。その歌詞が分からずとも、アフリカ人としてのアイデンティティが濃密に伝わってくるようで、弾力のあるバックの演奏とも相まって、否が応でも熱気に包まれていく。そして「Masiteladi」も圧巻。この曲はおそらく、この夜の演奏曲中最もアップ・テンポの曲だったと思うのですが、アマドゥのギター・ソロが最高でした! 強力なギター・ブレイクから長尺ソロに雪崩れ込む訳ですが、体を微妙に斜めに傾けながら弾きまくるアマドゥは完全にロックでした! ドラムスとパーカッションが要所要所で後ろから鼓舞するように畳み掛けると、まるでその都度加速するようなアマドゥのギター。そしてコード進行が一巡するたびに終わりそうで終わらないスパイラルが生み出すカタルシス。アマドゥ、熱い!!
他には「Welcome to Mali」や「Batoma」など最新作からの曲が目立ちました。で、どの曲も大抵、イントロがなるとマリアムが「ショー!ショーッ!」(実際、何と言ってるかはよく分かりません…)という掛け声をあげるのが印象的でしたね。あとアマドゥのギターをバックに、彼の坊主頭をなでなでしながらマリアムが愛おしそうに歌う素朴な曲もあったり。それがまた堪らない味わいだったのですが、曲名は分かりませんでした…。なんか盲目夫婦のこれまでの二人三脚振りが偲ばれる雰囲気でしたね。
WIKIによりますと、二人は1980年に結婚し、と同時に共に音楽活動を始めてるそうですね。なのでその活動暦は意外に長いんですよね~。もちろん結婚する以前からそれぞれ音楽はやっていたことでしょうし、目の見えない二人にとって、音楽は生活そのものだったかもしれませんね。そして二人の人気を世界的に決定付けたのは、やはりマヌ・チャオがプロデュースした05年作「DIMANCHE A BAMAKO」でしょう。私もアマドゥ&マリアムを知ったのはこのアルバムからでした。この夜もこのアルバムから、確か「Beaux Dimanches」だったかな? DJが刺激的なビートを提供し、そこにアマドゥのギターが絡んでいく感じが格好良かったですね~。でも残念ながら、私を含めて多くの人が期待していたであろうマヌ・チャオの飛び入りはありませんでしたけどね…。
終盤はパーカッショニストがジャンベを叩きまくったり、ダンサーが踊りまくったり、みたいないかにもアフリカンな響宴が繰り広げられ、ヘヴンの盛り上がりも最高潮となっていった訳ですが、私の頭の中では今頃オレンジではアム・ムーアが! どうしよう、どうしよう、と思いつつ、初めは前から2列目で観ていたものの、じりじりと後ろに下がりながらいつでもオレンジに向かう準備は出来ていたものの、結局はアマドゥ&マリアムのステージに背を向けることが出来ず、最後まで見届けてしまったのでした。いや~、最高でした!アフリカン・パワー、恐るべし!
この後、私はフィールド・オブ・ヘヴンのトリを務めたワイドスプレッド・パニックを堪能し、帰路についた訳ですが、その帰り道、ちょろっと場外のパレス・オブ・ワンダーを覗いたところ、パレス・テントでたまたまアマドゥ&マリアムがライヴ中だったんですよ! 最後の方しか見れませんでしたが、ここではバンド無しの二人だけのステージで、ヘヴンの時とはまた違う、アフロ・ブルースな世界を感じさせてくれて凄くよかったです。もう少し急いで帰って、ちゃんと見ればよかった…。
ちなみに私は流石に体力の限界で、このパレスのアマドゥ&マリアムを観て帰りましたが、その次に登場したMO DJ、実はこの人もマリ出身で、近年はネナ・チェリーやフランツ・フェルディナンドのリミックスを手がけたりなどで人気な方だそうですが、実は彼こそアマドゥ&マリアムのバンドでDJを務めるその人だったり。そしてその次に当日発表のVERY SPECIAL GUESTとしてエントリーされたのがマヌ・チャオ。この流れはさすがパレスな濃密さですよね~。体力があれば観たかったです…。見られた方、羨ましい~。
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