JUNGLE BY NIGHT / THE HUNT
アムステルダムから登場の9人組アフロジャズ・フェンク・バンド、ジャングル・バイ・ナイト。1st作「JUNGLE BY NIGHT」で2011年にデビューした当時、メンバー全員がまだ10代だったというから驚きます。
だって、おそらく白人と思われる10代の若者が9人も集まってファンキーなアフロジャズをやってるなんて想像出来ますか? しかもアルバム発表前の2010年頃からメイヤー・ソーホンや、ルーツ&ジョン・レジェンドなどと同じステージに立ち、シェウン・クティやトニー・アレンとも共演していたというから恐るべしです。
彼らの最新作は今年リリースされた3作目「THE HUNT」。私はこのアルバムで初めて彼らのサウンドを聴いたのですが、これが格好いい!! 正直な話、私は勝手に派手なアフロビートを想像していたんです。ですが1曲目「Empire」から想像していたのとは少し違う。もちろんアフロビート色は濃いですが、それとは少し違うエキゾチックさがある。それはどこかで聴いたことのある感覚。彼らはフェラ・クティ、エボ・テイラー、そしてムラトゥ・アスタトゥケなどから影響を受けたと言います。ムラトゥ・アスタトゥケ!!そう、 昨年のフジロックにも出演したエチオピアン・ジャズの巨匠です。
アフロビートと聞くと、どうしても派手なファンクネスを期待してしまいますが、そこにエチオピアン・ジャズを絡めてくるクールネスは、やはりヨーロッパ独特のジャズ感なのかもしれません。オランダと言えば、アフロやカリブを爽快に配合した強力ジャズファンクバンド、ニュークール・コレクティヴも居ますしね。しかしジャングル・バイ・ナイトは彼らに比べるともっとディープにドロドロしています。ですがそれに加えジャズ的な知的さを感じさせる辺りに、なるほど!と思う訳です。
「Empire」に代表されるジワジワと染みるような抑えたアフロビート。そのメロディーやリズムに内包されるエチオピアン・ジャズ的な土臭くプリミティヴなエキゾ感。その感覚はアルバム全編に漂っています。ホーン×3、キーボード、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション×2という9人編成。やはり肝はリズムとホーン隊か? とにかくアフロなグルーヴとそれに呼応するホーン隊の咆哮に痺れます!
さらにこのバンドの特異性は、「The Move」や「Weapon」でJBファンク的なレア・グルーヴ感を醸したかと思えば、「Desdemona」や「Tasmatica」などで前衛的な実験性をかいま見せ、「Attita」でコズミックな世界へ連れ去りつつ「Cherokee」で異国情緒を彷徨ったりと、その振り幅の広さ。ですがそれが彼らのアフロジャズとして結実しているから頼もしい。
それにしてもフジロック。一昨年はシェウン・クティ、昨年はムラトゥ・アスタトゥケ、そして今年はジャングル・バイ・ナイトですよ! まさかシェウンやムラトゥがジャングル・バイ・ナイトへの布石だったなどとは言いませんが、こういう見せ方は流石フジロックですよ!しかもジャングル・バイ・ナイトは昨年フジに出演予定だったガスランプ・キラーともコラボ・シングルを出している。そういう繋がりは何か水面下でのヒップなうねりを感じさせますし、それを浮かび上がらせるかのようなフジのブッキング、お見事です。
さて今年、オレンジ、カフェドパリ、そしてパレスに登場するジャングル・バイ・ナイト、どこかで目撃したいものです。
ではYouTubeで探した映像もいくつか。
https://www.youtube.com/watch?v=N3aGJ76ggAw
JBファンクなスピード感が格好いい「Kiwi」という曲。
https://www.youtube.com/watch?v=U_SrUjjee-0
こちらは「THE HUNT」の1曲目を飾った「Empire」。ラジオ局?でのスタジオ・ライヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=lVvzBBrMi_E
こちらは2011年の映像のようなので、デビュー当時でしょうか?パレスやカフェドパリならこんな感じかな?ってぐらい狭いハコでぎゅうぎゅう。
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
14.06.28 フジロック予習:オゾマトリ
14.06.15 フジロック予習:ザ・ヘヴィー
14.06.03 フジロック予習: ザ・ルミニアーズ
14.05.23 フジロック予習: ジョン・バトラー・トリオ
アムステルダムから登場の9人組アフロジャズ・フェンク・バンド、ジャングル・バイ・ナイト。1st作「JUNGLE BY NIGHT」で2011年にデビューした当時、メンバー全員がまだ10代だったというから驚きます。
だって、おそらく白人と思われる10代の若者が9人も集まってファンキーなアフロジャズをやってるなんて想像出来ますか? しかもアルバム発表前の2010年頃からメイヤー・ソーホンや、ルーツ&ジョン・レジェンドなどと同じステージに立ち、シェウン・クティやトニー・アレンとも共演していたというから恐るべしです。
彼らの最新作は今年リリースされた3作目「THE HUNT」。私はこのアルバムで初めて彼らのサウンドを聴いたのですが、これが格好いい!! 正直な話、私は勝手に派手なアフロビートを想像していたんです。ですが1曲目「Empire」から想像していたのとは少し違う。もちろんアフロビート色は濃いですが、それとは少し違うエキゾチックさがある。それはどこかで聴いたことのある感覚。彼らはフェラ・クティ、エボ・テイラー、そしてムラトゥ・アスタトゥケなどから影響を受けたと言います。ムラトゥ・アスタトゥケ!!そう、 昨年のフジロックにも出演したエチオピアン・ジャズの巨匠です。
アフロビートと聞くと、どうしても派手なファンクネスを期待してしまいますが、そこにエチオピアン・ジャズを絡めてくるクールネスは、やはりヨーロッパ独特のジャズ感なのかもしれません。オランダと言えば、アフロやカリブを爽快に配合した強力ジャズファンクバンド、ニュークール・コレクティヴも居ますしね。しかしジャングル・バイ・ナイトは彼らに比べるともっとディープにドロドロしています。ですがそれに加えジャズ的な知的さを感じさせる辺りに、なるほど!と思う訳です。
「Empire」に代表されるジワジワと染みるような抑えたアフロビート。そのメロディーやリズムに内包されるエチオピアン・ジャズ的な土臭くプリミティヴなエキゾ感。その感覚はアルバム全編に漂っています。ホーン×3、キーボード、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション×2という9人編成。やはり肝はリズムとホーン隊か? とにかくアフロなグルーヴとそれに呼応するホーン隊の咆哮に痺れます!
さらにこのバンドの特異性は、「The Move」や「Weapon」でJBファンク的なレア・グルーヴ感を醸したかと思えば、「Desdemona」や「Tasmatica」などで前衛的な実験性をかいま見せ、「Attita」でコズミックな世界へ連れ去りつつ「Cherokee」で異国情緒を彷徨ったりと、その振り幅の広さ。ですがそれが彼らのアフロジャズとして結実しているから頼もしい。
それにしてもフジロック。一昨年はシェウン・クティ、昨年はムラトゥ・アスタトゥケ、そして今年はジャングル・バイ・ナイトですよ! まさかシェウンやムラトゥがジャングル・バイ・ナイトへの布石だったなどとは言いませんが、こういう見せ方は流石フジロックですよ!しかもジャングル・バイ・ナイトは昨年フジに出演予定だったガスランプ・キラーともコラボ・シングルを出している。そういう繋がりは何か水面下でのヒップなうねりを感じさせますし、それを浮かび上がらせるかのようなフジのブッキング、お見事です。
さて今年、オレンジ、カフェドパリ、そしてパレスに登場するジャングル・バイ・ナイト、どこかで目撃したいものです。
ではYouTubeで探した映像もいくつか。
https://www.youtube.com/watch?v=N3aGJ76ggAw
JBファンクなスピード感が格好いい「Kiwi」という曲。
https://www.youtube.com/watch?v=U_SrUjjee-0
こちらは「THE HUNT」の1曲目を飾った「Empire」。ラジオ局?でのスタジオ・ライヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=lVvzBBrMi_E
こちらは2011年の映像のようなので、デビュー当時でしょうか?パレスやカフェドパリならこんな感じかな?ってぐらい狭いハコでぎゅうぎゅう。
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