徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

火防の神様、ありがとう

2006-04-23 05:46:55 | Works
金曜日。松坂屋上野店の屋上を取材。
へんな爺ちゃん(割と身なりはキレイなんだが)に「通路で取材すんじゃねえ」などと体当たりされ、いちゃもんつけられながら、ひと通り屋上の撮影を終える(もちろん、通路はそんなに狭くない……)。
最後は、(おそらく新人時代の)松田聖子も歌い、今はイベントで使用することも少なくなったという、伝説の屋上ステージの撮影で取材も終了かな~と思ったら、取材にお付き合いしていただいた担当者さんにいきなり屋上の反対側へ連れられていく。
「あんまり知られていないんですよね」と案内されたのは鶴護(かくご)稲荷神社。もともとは19世紀に伏見稲荷から松坂屋社宅のあった根岸へ祀られたものらしいが、関東大震災、日暮里大火(1925年)の中、神殿、社宅が無事だったため、29年に分霊して屋上に奉安された、由緒ある「火防の神様」なのだという。もちろん普通のお客さんでもお参りはオケだそうです。

エスパルスにご利益あったかな。それだけですが。

第9節 勝利という糧、敗戦という糧

2006-04-23 02:37:13 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「ホントに優勝狙うようなチームにですね、ホームでこういう戦い方ができたというのは非常に大きな自信になると思いますし、そういうチームに勝てるだけのポテンシャルはあるという風に思ってましたんで、まあそれをホームのゲームで証明したいという気持ちが非常に強かったです。」(Sの極み 4月22日付け)

清水はこれまで4勝4敗している。序盤3ゲームをそれほど良いとは言えない内容で3連勝し(甲府、名古屋、FC東京)、内容は明らかに良化しているもののその後3連敗した(千葉、大宮、ガンバ大阪)。そして良化の証明として大分に圧勝し、若さの代償として鹿島に競り負けた。比較するものではないかもしれないが、昨年序盤の広島、そして終盤のセレッソ大阪のように勢いで連勝せずに、これまでの8戦、勝ち負けを繰り返すことが、明らかにチームの「証明」の過程であり、糧になっているように感じる。
そして、それは今年の元旦、天皇杯決勝から始まっているのかも知れない。あの日のゲーム後、1年目のルーキー兵働昭弘は人目をはばからず(ってかピッチ上だもんな)悔し涙を流していた。圧倒的アウエイの中で悔しさを爆発させる兵働の姿を見て、オレは感動したよ。いくら足元が上手くたって、チームのモチベーションを上げる闘将がいなくちゃ駄目なんだ。同じことが鹿島戦に続いて、今日のゲームでも、ゴールパフォーマンスでアウエイサポーターに向かって拳を振り上げたマルキーニョスにも言える。あれはオレたちには必要なパフォーマンスなのだ。それはさておき……。

兵働「チーム内の争いがあるから、自分の武器を磨いて、1回りも2回りも大きくなりたい」
健太「1年目のこの悔しさをバネに頑張ってほしい」
(共に日刊スポーツ静岡版 1月3日付け

そこでエコパで浦和戦だ。

兵働「元旦に負けてるんで、そのリベンジも兼ねていたんで、まあすごい昂るものがありましたけどね。」(Sの極み 4月22日付け)

藤本、青山、枝村が徐々にメディアに取り上げられるようになった中(あんなに頭の悪い順位予想をしていたくせに無邪気なもんだが……それは年末のお楽しみ)、オレの2005年新人王・兵働は、天皇杯決勝の悔しさを晴らすかのように走り続けた。1点目のマルキーニョスの得点も、「ちょうど淳吾と目が合ったんで、で僕のとこに(ボールが)入ってワンタッチで……もうマルキが走ってるのが見えたんで」(Sの極み 4月22日付け)と兵働のスルーパスから、2点目のジェジンの得点も兵働のクロスから。気持ちが昂ぶっていた、というのがよくわかる活躍だった。

後半から終盤にかけて1点ビハインドの浦和は怒涛の攻めを見せる。ギドは、それまでも上がりっぱなしだった闘莉王をボランチに上げ(これで完全にFW状態だったが)、さらに黒部を入れ、中盤省略の凄まじく前がかりなシステムに変更する。それに対して、これまでゲームで守備的な交代をあまり見せなかった健太も、今まで見せたことのない選手交代を見せた。斎藤さんに闘莉王のマンマークを指示し、さらにサイドバックに和田を投入。これまでずっと<自分たちのサッカー>をメッセージしていた健太が、こんなディフェンシブな采配をするのは珍しい。しかし青山が「トシさん(斉藤)が入ってくれてかなり楽になった」(J's GOAL 4月22日付け)と言うように、それは健太も戦前から織り込み済みだったようだ。

斎藤「(今日のような闘莉王対策は)さまざまな状況を想定して何パターンか練習したうちのひとつ」(J's GOAL 4月22日付け

浩太「今日はちょっと選手交代も極端な……ある意味もう練習からやってたことなんで。」

西部「監督の言ってたことは『こういうことなのかな』というようなことが今日の試合で実践できたし(中略)肌身感じてわかった試合だと思います。」(共にSの極み 4月22日付け)

前節、鹿島戦でアウトゥオリ監督の鮮やかな采配に対して、チームとして、そして監督としても若さゆえに脆弱な部分を露わにしてしまった健太にも期するものがあったのだろうか。結果的に健太の戦略的な交代だったとはいえ、後半30分過ぎからの20分近い守備固めは、健太がホームサポーターに対して、天皇杯の雪辱と優勝候補からの勝利という「最高の結果」をプレゼントしようとしたメッセージだったと思う。惚れ直したよ、健太。

清水はどんどん良化しています。健太は、清水エスパルスというチームを誰が見ても面白いサッカーをするチームに作り直そうとしています。
だからこそ、あとは彼らの戦いを見守る目が必要です。是非地元民には、成長中の清水のサッカーを観に行ってくれるように心から願います。あ、成長中ですからまだ勝ったり負けたりすると思いますが……子供の成長って楽しくないですか? オレは未経験ですが。

健太「もう1枚交代枠があれば矢島を前に入れてですね、4枚目のカードを切りたかったんですけど(記者笑)、まあ3枚しかカードがないんで、ちょっと難しかったです。」(Sの極み 4月22日付け)

それにしても矢島ニステル卓郎も見たかったっス。来週は川崎とニステルダービーだ。