徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

突きつけられた世界の果て/明川哲也「世界の果てに生まれる光」

2007-11-11 03:29:37 | Books
もう1冊。
明川哲也さんから『世界の果てに生まれる光』(角川書店)が届く。『野性時代』に掲載されていた「ジョンを背負って7000メートル」「ナッツ」、そして書き下ろしの「プリズムの記憶」の3編を収めた小説集。明川さんは、小説では本当に繊細な世界を描く。以前頂いた『カラスのジョンソン』もカラスと母子家庭を描いたファンタジーだったし、今回はデリヘル嬢が無職の男に<癌で生死の狭間を彷徨うハムスター>を預けに来る物語(「ナッツ」)やライター男とカメラマン女の不倫の物語(「プリズムの記憶」)だったりする。いや、それがまたいいんだけれども。「ジョンを背負って7000メートル」は、追悼番組で使用されたジョン・レノンの巨大なパネルを譲り受けた構成作家の男が、六本木から新宿ゴールデン街の目的地まで、巨大なパネルを歩いて運ぶという、ただそれだけの物語。しかしこういうのがオトコノコ的には響いたりする。
<世界の果て>というのは、やはりひとりひとりの居場所だったり、立ち位置だったりするんだな。最近、池袋のデパートの屋上から若い女性が飛び降り自殺して、下にいた男性会社員と直撃してふたりとも亡くなってしまったという痛ましい事件があったけれども、アレなんか本当に<世界の果て>って感じがするもの。<世界の果て>から一歩踏み出してしまった女性だけではなくて、心ならずも<世界の果て>をいきなり突きつけられてしまった男性も。
まあもちろん物語は、切ないけれども、前向きです。

チームカラー/「なぜ、未亡人は美しく見えるのか? 色のマーケティング学」

2007-11-11 03:03:30 | Books
以前所属していた会社(といってももう10年以上前だけれども)の先輩だったライターの芳原信さんの新刊『なぜ、未亡人は美しく見えるのか? 色のマーケティング学』(C&R研究所)が届く。サブタイトルにもあるように芳原さんはマーケティングの人で、インターネット以前からのPCの知的財産権に関して取り組んでいたライターで、ウェブでも書きまくっている人である。まあタイトル勝負な感じもしないでもないのだけれども(笑)、色彩に関する雑学本。
こういうのは、紹介されている簡単な色の分類をJクラブのカラーに当てはめるとわかりやすい。

青/知性、清潔、真実、冷静→自己陶酔型の攻撃サッカーでガンバ&マリノスのリアリズム。
赤/情熱、活気、愛情、興奮→これは説明不要のレッズ。
黄色/明朗、快活、躍動→走るジェフとネタのレイソル。
黒/重厚、孤独、力、男性的→旧・川勝男塾でヴィッセル…ってクラブカラー変わっちゃったけど。
そして……
オレンジ/陽気、気楽、わがまま→エスパルス、納得。

やはりチームカラーに通じるものがある。