徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ヴァラエティブックの極み/小西康陽「ぼくは散歩と雑学が好きだった」

2008-08-10 17:46:32 | Books
遅まきながら小西康陽「ぼくは散歩と雑学が好きだった。小西康陽のコラム1993-2008」(朝日新聞社)購入。
小西氏も<小西康陽が小西康陽になるために読んだ100冊>や<あとがき>で挙げている植草甚一の「ワンダー植草・甚一ランド」や小林信彦の「東京のロビンソンクルーソー」のような段組、見出し、ブックデザイン(さらには峰岸達氏がイラストを書いている!)。前から読んでも後ろから読んでも斜めから読んでもオッケーなヴァラエティブックの真骨頂。ときどきこういうブックデザインをしている書籍を見掛けることがあって、おそらく編集者かデザイナーは「東京のロビンソンクルーソー」や晶文社の書籍をイメージしているんだろうなあと思う。実は数年前に知野二郎さんと作った本も、まさにそのイメージで構想していた。思ったよりも時間がなかったこと、予算がそれほどなかったことなど、諸々のこともあって思い通りにはならなかったけれども、溢れるようなヴァラエティ感とヴォリューム感だけは出したつもり。
またこういうコラムを再編集したヴァラエティブックを作りたいといつも思う。
18歳か19歳の頃、古本屋で「東京のロビンソンクルーソー」を見つけたときの影響がまだ残っている。もうカヴァーはぼろぼろだし、繰り返し開いたせいで製本も怪しくなっているけれども、いまだ本棚に残っている。

イカキンさん

2008-08-10 02:35:29 | LB中洲通信2004~2010
金曜日。
高円寺でギタリストの宮崎イカキン健さんの取材。
the Pureのライブでも何度か顔を会わせているのだが、シラフで畏まるのは緊張するし、よろしくないということなのでJIROKICHI近くの酒場で酒を飲みながらインタビュー。それほど年齢は離れていないのでイカキンさんの音楽的な来歴は共感するところが多い。あまり多くは語らないイカキンさんだが、やはり本田竹広さんの存在は大きい。

ところでアメリカ戦敗退後、翌日のこの日、イカキンさんはナイジェリアTシャツを着て来た。聞いてみると、やはりサッカーファン。しかも海外サッカーだけではなく、Jリーグも語る横浜っ子。2日連続で深酒はできない状況なので電車で帰れる時間に別れましたが(原稿が…)、またJの話でもしましょう。

ハシゴ

2008-08-10 02:17:40 | LB中洲通信2004~2010
木曜日。コの字取材で王子。
取材前に北野さんとミーティング。写真家で、北野さんの友人である佐藤信太郎氏の写真集「Tokyo Twilight Zone-非常階段東京-」を見せてもらう。本を後ろから見るのが悪い癖なんだが、一応スタッフは確認しておかないと…と思ったら、装丁はマッチ&カンパニーの町口覚氏。おお、大物だ。
非常階段を上がり、手前に雑然とした生活感溢れる(もしくは団地のように整然とした)東京の風景を捉えつつ、彼方にもうひとつのパブリックな東京が見えるという、なかなか刺激的な写真集であります。北野さんの「OUR FACE」もそうだったけれども、こういう触発(挑発?)されるようなイメージを切り出せる写真家という仕事が羨ましく感じる。いや、もちろん北野さんの仕事を見ていれば、イメージの前提となる「言葉」をライター以上に費やさなければならないときもあることもわかるんだけれども。
写真集にしては安すぎないかというくらい安価なので、是非買って見ていただきたい。次回のナカスで紹介する予定。

新展開を見せている「OUR FACE」の取材でインド帰りの北野さんはひさびさの日本の居酒屋ということで、コの字取材は「串之介」さん。なかなか居心地の良いコの字。高校野球絶賛放映中の店内で取材と呑みで3時間。ブルーズ好きの学校の先生からホトケさん特集号を褒められる。ありがとうございます。
王子からバスに乗って雷門まで。ケバブ屋さんになってしまった沢正跡の前を通って、「浩二」で男子サッカー「日本対アメリカ」戦。関係ないが、浩二さんとこの女子がヒジョーに可愛くなっていた(いや、前の子も十分可愛かったですが)。アメリカ戦惜敗を見届けた後、赤津加の煮込みが食べたくなって秋葉原。

いつもハシゴして、酒飲んでるだけじゃなくて、本当はワリと深遠な話もしちゃったりしているんですけどね(酔っ払いなりに)。