中国は2012年6月に、有人宇宙船「神舟9号」と宇宙実験船「天宮1号」の有人ドッキングを成功させた。有人ドッキングは、米ロに続く3カ国目であり、これにより中国は、宇宙船を使って宇宙飛行士を送り込み、宇宙ステーションを運営できる力を世界に見せつけた。
中国は、この宇宙ステーションを使って、今後宇宙開発を加速させることになる。2030年には、有人月面探査を実現し、月面基地建設を実現させる計画だ。さらに、2050年を目標に月面基地から火星などへの有人宇宙船を飛ばすことを目標に掲げている。この時点で、現在先行する米ロ欧を追い抜き、一挙に宇宙開発でトップの座を目指す。
このような中国の宇宙開発に関する着実な取り組みに対して、米国の宇宙開発の取り組みには、最近我々の理解を超えるような場面が垣間見えるようになってきた。かつてアメリカは、アポロ計画においてアポロ11号を皮切りに月着陸に6回成功し、12人の宇宙飛行士が月面を歩いたという、月探査では輝かしい歴史を誇ってきた。
ところが、その後アメリカは、スペースシャトルの運航を中止したかと思えば、今度は、オバマ大統領が「2030年代半ばまでに火星に人を送り、無事に帰還させる」と発表し、ターゲットを月から、火星に変更させてしまったのだ。これは、多分、火星への人類着陸の一番乗りを狙ったものと思われる。その間、中国は月面基地を建設してから火星を狙う。一番乗りこそ逃すが、宇宙開発では中国の計画の方が地道だ。
中国の宇宙ステーションが完成予定の2020年には、日米欧ロなど15カ国の国際宇宙ステーション(ISS)計画が終了することになっている。もうこうなると、月探査の主役は中国ということになりかねない。一方、日欧ロでは独自に月探査計画を推進しており、中国の一人勝ちを食い止める勢力となるかもしれない。
何れにせよ、今後の各国の月探査計画から目を離すことはできない。(勝 未来)
中国は、この宇宙ステーションを使って、今後宇宙開発を加速させることになる。2030年には、有人月面探査を実現し、月面基地建設を実現させる計画だ。さらに、2050年を目標に月面基地から火星などへの有人宇宙船を飛ばすことを目標に掲げている。この時点で、現在先行する米ロ欧を追い抜き、一挙に宇宙開発でトップの座を目指す。
このような中国の宇宙開発に関する着実な取り組みに対して、米国の宇宙開発の取り組みには、最近我々の理解を超えるような場面が垣間見えるようになってきた。かつてアメリカは、アポロ計画においてアポロ11号を皮切りに月着陸に6回成功し、12人の宇宙飛行士が月面を歩いたという、月探査では輝かしい歴史を誇ってきた。
ところが、その後アメリカは、スペースシャトルの運航を中止したかと思えば、今度は、オバマ大統領が「2030年代半ばまでに火星に人を送り、無事に帰還させる」と発表し、ターゲットを月から、火星に変更させてしまったのだ。これは、多分、火星への人類着陸の一番乗りを狙ったものと思われる。その間、中国は月面基地を建設してから火星を狙う。一番乗りこそ逃すが、宇宙開発では中国の計画の方が地道だ。
中国の宇宙ステーションが完成予定の2020年には、日米欧ロなど15カ国の国際宇宙ステーション(ISS)計画が終了することになっている。もうこうなると、月探査の主役は中国ということになりかねない。一方、日欧ロでは独自に月探査計画を推進しており、中国の一人勝ちを食い止める勢力となるかもしれない。
何れにせよ、今後の各国の月探査計画から目を離すことはできない。(勝 未来)