宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、X線天文衛星「すざく」の科学観測を終了すると発表した。
これは、2系統あるバッテリの片方の容量が失われたと推測できる事象が観測されるなど、衛星状態の回復が見込めない状況が明らかになったため。
X線天文衛星「すざく」は、宇宙の高温プラズマの高精細な分光観測および高感度・広帯域の測光・分光
観測によりブラックホールの周りの物質の運動や銀河団の形成・進化の問題に新しい光を当てることを主目的として、平成17(2005)年7月10日にM‐Vロケット6号機によって打ち上げられた科学衛星。
その後、観測運用を約10年間に渡り継続し、広い波長域に亘って世界最高レベルの感度を達成するなど優れた観測能力を実証し、宇宙の構造形成やブラックホール直近領域の探査等において重要な科学的成果をあげてきた。