国際宇宙ステーション(ISS)に設置された「高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALorimetric Electron Telescope: CALET)」が、米国のLIGO(ライゴ)が重力波を検出した同じ時期に、X線・ガンマ線を観測しなかったことにより、LIGO検出の重力波が考察されていたブラックホール合体由来であることを裏付けることができた。
米国のLIGOと呼ばれる巨大な観測装置によって、2015年9 月14日に宇宙の彼方からやってきた重力波が世界で初めて検出された。重力波は、1916年にアインシュタインが一般相対性理論から予言した、時空のゆがみの時間変動が波として光速でつたわる現象。アインシュタインの予言から約100年もの間にわたり、数多くの検出が試みられてきましたが、やっとこのLIGOによって検出された。
LIGOのチームは、LIGOの運用開始以前から、重力波が観測された場合の発生メカニズムをより詳細に明らかにするために、重力波と同時発生が推測される電磁波(電波、可視光、X線、ガンマ線など)の観測を他の宇宙観測チームに呼びかけていた。
CALETチームはこの呼びかけに応えて、重力波が観測された場合にLIGOのデータとCALETによる解析結果を提供しあう協定(MOU)をLIGOチームと取り交わした。
CALETには高エネルギー宇宙線・ガンマ線を観測するカロリメータ(CAL)に加えて、ガンマ線バーストの検出を行うCALET Gamma-ray Burst Monitor (CGBM)が搭載されている。