ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

シェール Cher - I Found Someone(1988年の洋楽 Part9)

2024-03-07 21:14:17 | '88年洋楽
1988年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart9は、Cherの"I Found Someone"。最高位は3月5日付の第10位。年間チャートは94位。Cherのヒット曲といえば、1979年5月、最高位8位を記録した"Take Me Home"にまで遡ります、懐かしいですね。年間チャートは56位。それ以来、9年ぶりのTop10ヒットとなりました。

Cherですが、ご存じですか?アメリカカリフォルニア出身の、長いキャリアを持つポップス歌手。デビューは1960年代初めにまで遡ります。

まずは、当時の夫 Sonny Bono とポップスデュオを結成し、デュオとソロ、両方で活躍します。初めてのTop40ヒットは、1964年、Sonny & Cherの"Baby Don't Go"が最高位8位を記録、翌年には、"I Got You Babe"が初めての全米No.1ヒットとなります。

並行してソロでも、1965年に最高位15位の"All I Really Want to Do"が初のTop40ヒット、1975年にSonny Bonoとは離婚して、デュオ活動は終わるのですが、1970年代にかけて、デュオ・ソロ、両方で大ヒットを量産します。いずれもソロですが、"Gypsys, Tramps & Thieves"、"Half-Breed"、"Dark Lady"の3曲がNo.1ヒット、特に"Half-Breed"は日本でも大ヒットしました。

そんなCherですが、前述のように、1979年に"Take Me Home"が最高位8位を記録した後、ヒットは途絶えます。その間、女優業の方が忙しかったのでしょうか、アルバムも、9年間で1枚しか発表していなかったようです。

そして1987年に発表した彼女18枚目のスタジオアルバムとなるようですが、彼女の名前を冠したアルバム『Cher』からのファーストシングルがこの曲"I Found Someone"です。

"I Found Someone"の作者ですが、これがMichael Boltonなのです、それにソングライターで、キーボードのMark Mangoldの共作。プロデュースもMichael Boltonが手掛けています。

このアルバム『Cher』ですが、なかなかすごいソングライターが参加しています。Michael Boltonのほかにも、Desmond Child、Jon Bon Jovi、Richie Sambora、Diane Warren、Mark Goldenbergと、まあ、豪華なソングライター陣です。ロック系の方が多いのですが、そのまんま、ロック系のアルバムに仕上がっています。

"I Found Someone"は、元々 Laura BraniganのためにMichael BoltonとMark Mangoldが作った曲なのですが、 Laura Braniganではヒットせず、Cherバージョンで、大ヒット曲になりました。

バックにも豪華なメンバーが加わっています。ギターにはMark GoldenbergとSteve Lukatherの名前もあります。ギターソロはSteve Lukatherでしょうか。カッコいい曲でした。

この曲のPVに出演しているのは当時の彼女の恋人Rob Camilletti、なんと18歳年下の彼氏だそうです。

Cherはこの曲が9年ぶりのTop10ヒットだったのですが、90年代に入って、また、いったんヒットが出なくなり、98年になって再び復活、"Believe"が年間チャートNo.1となる歴史的な大ヒットになります。偉大なる歌手であり、魔性の女でもありますね。


こちらが Laura Braniganバージョン、最高位は90位、ちょっときれいに歌い過ぎでしょうか、この曲には、Cherのボーカルの方がドンピシャでした。Laura Braniganですが、先日、"Power of Love"を紹介しましたが、その時も Jennifer Rushバージョンの方が良かったかなぁ、と思いました。歌が上手いのに、曲が合っていなかったのか、もったいなかったです。
コメント (24)
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