ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

Rod Stewart - Love Touch (Theme from Legal Eagles)(1986年の洋楽 Part31)

2022-08-11 22:15:17 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart31はRod Stewartの"Love Touch (Theme from Legal Eagles)"。最高位は8月9日付の第6位、年間チャートは82位。
70年代初めころから、コンスタントにシングルヒットを出してきたロッド・スチュワートですが、84年に最高位10位を記録した"Some Guys Have All the Luck"以来2年ぶりのTop10ヒットになりました。

Rod Stewartですが、イギリス出身のロックシンガー。60年代から、ジェフ・ベック・グループや、フェイセズのボーカリストとして活躍、70年代になってからソロ活動を始め、71年の初めてのソロヒットが"Maggie May"で、いきなりのNo.1を記録しました。その"Maggie May"は71年の年間チャートで2位、76年から77年に、8週間のNo.1を記録したのが"Tonight's the Night (Gonna Be Alright)"で、77年の年間チャートでNo.1の歴史的なヒットに、そして、79年に4週間のNo.1を記録したのが"Da Ya Think I'm Sexy?"で、これが年間チャート第4位。この3曲のメガヒットを持っている、改めて偉大なロックシンガーです。

Rod Stewartのシングルヒットとしては、Faces時代に2曲のTop40ヒット、ソロになってからは、この曲で通算20曲目のTop40ヒット、3曲のNo.1ヒットを含め8曲目のTop10ヒットになりました。

"Love Touch"ですが、曲の作者は Holly KnightとMike Chapmanの共作。プロデューサーはMike Chapman。この二人は、超売れっ子の有名ソングライターであり、プロデューサーです。
Holly KnightとMike Chapmanのコンビの作としては、Pat Benatarの"Love Is a Battlefield"や、Tina Turnerの"Better Be Good to Me"があり、私のブログでも、何度か登場済みです。

この曲"Love Touch"ですが、副題にもあるとおり、映画『Legal Eagles』のエンディングテーマです。映画はロバート・レッドフォード主演のサスペンス映画で、邦題は『夜霧のマンハッタン』。私は映画を見ていないので何とも言えないのですが、そんなに大ヒットした映画ではないようです。

レコード会社の関係なのでしょうか、"Love Touch"は、映画のサントラ盤には収録されておらず、ロッド・スチュワートの14作目のソロアルバム『Every Beat of My Heart』に収録され、シングルカットされた曲です。

曲は、軽快な調子のポップスタッチの曲、特にサビの部分「Love Touch~♪」のところが覚えやすい、楽しい曲ですね。さすがHolly KnightとMike Chapmanのコンビによる作品です。
ただ、Wikipediaによると、ロッド・スチュワート自身は、この曲が気に入らなかったようで、ライブでは演奏しないようです。なぜでしょうね。
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【追悼】オリビア・ニュートン・ジョン Olivia Newton-John

2022-08-09 22:34:12 | 70年代の名曲
悲しいニュースが入ってきてしまいました。
Olivia Newton-John(オリビア・ニュートン・ジョン)さんが亡くなりました。享年73歳。
Olivia Newton-Johnさんといえば、私が洋楽を聞き始めるきっかけとなった方のひとりです。
姉が持っていた洋楽のアルバムが、ビージーズ、カーペンターズ、そしてオリビア・ニュートン・ジョンでした。
そのアルバムに入っていた、名曲中の名曲、75年のNo.1ヒット"Have You Never Been Mellow"です。
Olivia Newton-Johnさんのシングルヒット曲、この曲を含めTop40に27曲、そのうちTop10ヒットが15曲、Top5ヒットが13曲、No.1ヒットが10週間のNo.1の"Physical"を含め5曲。改めて偉大な歌手でした。


76年に最高位23位の"Come On Over"。この曲、大きなヒットにはなりませんでしたが、曲もジャケットも私の大のお気に入りでした。


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ビルボード 全米 Top40 1986年8月9日付 ピーター・セテラ Peter Cetera - Glory of Love(The Karate Kid Part II)

2022-08-07 21:41:37 | 1986年ビルボードTop40
1986年8月9日付ビルボード All American Top40、前週に引き続き2週目の1位はPeter Ceteraの"Glory of Love"。映画『The Karate Kid Part II』の挿入曲です。Peter Ceteraですが、もちろんChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト。この前年の85年にバンドを抜けてソロ活動を開始、この曲がソロ初めてのヒットでもちろん初めてのNo.1です。Chicagoでは、この時点で、2曲のNo.1ヒットを含め9曲のTop5ヒットを持っています。

2位は4位からアップ、Madonnaの"Papa Don't Preach"。Madonnaですが、もちろん皆さんご存知のスーパースター。83年に"Holiday"が初めてのTop40ヒット、それからたった3年ですが、この曲で10曲目のTop40ヒットで、3曲のNo.1ヒットを含め、なんと8曲目のTop5ヒット、5曲目のTop3ヒットです。
3位は6位からアップ、Belinda Carlisleの"Mad About You"。Belinda Carlisleですが、そうですよね、The Go-Go'sのリードボーカルです。The Go-Go'sが1985年に解散して、ソロでの初めてのヒットがこの曲で、5位まで上がってきました。
4位は2位からダウン、Peter Gabrielの"Sledgehammer"。Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。そのGenesisを蹴落として1位に上がりましたが、1週のみでダウンしてしまいました。Genesis時代にはシングルのTop40ヒットはありませんでしたが、ソロになってからは、82年に"Shock the Monkey"が最高位29位、この曲が2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1ヒットです。
5位は9位からジャンプアップ、Jermaine Stewartの"We Don't Have To Take Our Clothes Off"。Jermaine Stewartですが、デビューシングルが1984年に41位まで上がりましたが、この曲が2曲目のシングルヒットで始めてのTop40ヒット、5位まで上がってきました。

この週2週目の1位、Peter Ceteraの"Glory of Love"。最終的には2週間の1位で、年間チャートは14位。映画『The Karate Kid Part II』の挿入歌。Peter Ceteraのソロ初ヒットが大ヒットになりました。

Peter Ceteraですが、60年代から活躍するアメリカの偉大なバンドChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト&ベーシストです。
Chicagoのオリジナルメンバーとは書きましたが、Chicagoの前身のバンドThe Big Thingの結成後に、バンドのメンバーとなり、もちろん、Chicagoの記念すべきファーストアルバム『Chicago Transit Authority』には、ボーカル&ベースで参加しています。

Chicagoのボーカルは、結成から70年代初めにかけては、Robert LammにTerry Kath、そしてPeter Ceteraが、順番にリードボーカルをとっていたイメージがあります。1970年のバンドの初めてのTop40ヒットの"Make Me Smile"は、ボーカルはTerry Kathでしたね。
Peter Ceteraがリードボーカルの"25 or 6 to 4"「長い夜」が最高位4位の大ヒットになり、段々Peter Ceteraがメインボーカルの曲が増えていきました。

そして、1976年の『Chicago X』、そこからのシングル"If You Leave Me Now"が初めてのNo.1ヒットになります。この"If You Leave Me Now"については、それまでのシカゴにはなかった、美しいメロディのロックバラード、AORの名曲でした。この頃からシカゴもだいぶ音楽性が変わりました。
シカゴは、その後も大ヒットを続け、1982年の"Hard to Say I'm Sorry"が、2曲目のNo.1ヒットとなります。

1985年に、大ヒットアルバム『Chicago 17』を最後に、15年以上にわたるシカゴでの活動を終え、バンドを脱退、ソロ活動を始めます。そのソロ第一弾がこの曲"Glory of Love"で、2週間のNo.1を記録する大ヒットになりました。
曲の作者はPeter Cetera自身にDavid Foster、そして当時のPeter Ceteraの妻であるDiane Niniの3人の共作。
プロデュースはMichael Omartian。Michael Omartianは、私のブログにも登場済みですが、Christopher CrossやMichael Boltonなどなど、数々の大ヒットアルバムを手掛けた凄腕プロデューサーです。

この曲は、映画『The Karate Kid Part II』(日本題は『ベスト・キッド2』です)に取り上げられました。元々はこの映画用に作られた曲ではないようです。映画のサウンドトラックと、彼のソロのファーストアルバム『Solitude/Solitaire』の両方のアルバムに収録されていました。

David Fosterに、Michael Omartian、そして映画のサントラ収録曲と、大ヒットの条件は全部そろっています。でも、もちろんそれだけではありません、Peter Ceteraの優しくハイトーンのボーカルによる、美しいメロディの曲で、初めてのソロヒットが、2週間のNo.1の大ヒットに結びつきました。


こちらの動画は、Peter Ceteraがメインの映像です。ソロアルバムの方でしょうか?


今週 先週 song / artist
1 1 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
2 4 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
3 6 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
4 2 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
5 9 WE DON'T HAVE TO TAKE OUR CLOTHERS OFF / JERMAINE STEWART
6 7 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
7 3 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
8 12 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
9 15 VENUS / BANANARAMA
10 13 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
11 5 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
12 16 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
13 19 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
14 8 NASTY / JANET JACKSON
15 18 SWEET FREEDOM(THEME FROM "RUNNING SCARED") / MICHAEL MCDONALD
16 17 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
17 11 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
18 23 TAKE MY BREATH AWAY(LOVE THEME FROM "TOP GUN") / BERLIN
19 10 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
20 21 SUZANNE / JOURNEY
21 14 DIGGING YOUR SCENE / THE BLOW MONKEYS
22 26 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
23 31 FRIENDS AND LOVERS / CARL ANDERSON & GLORIA LORING
24 28 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
25 24 TAKE IT EASY / ANDY TAYLOR
26 30 BABY LOVE / REGINA
27 33 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
28 34 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH
29 36 THAT WAS THEN, THIS IS NOW / THE MONKEES
30 35 RUMBLESEAT / JOHN COUGAR MELLENCAMP
31 40 MAN SIZE LOVE(FROM "RUNNING SCARED") / KLYMAXX
32 38 TAKEN IN / MIKE + THE MECHANICS
33 42 STUCK WITH YOU / HUEY LEWIS & THE NEWS
34 22 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
35 39 HANGING ON A HEART ATTACK / DEVICE
36 41 DON'T FORGET ME (WHEN I'M GONE) / GLASS TIGER
37 44 THE CAPTAIN OF HER HEART / DOUBLE
38 20 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
39 27 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
40 52 LOVE ZONE / BILLY OCEAN
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ブロウ・モンキーズ The Blow Monkeys - Digging Your Scene(1986年の洋楽 Part30)

2022-08-04 20:07:30 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart30はThe Blow Monkeysの"Digging Your Scene"。最高位は8月2日付の第14位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

The Blow Monkeysですが、1981年にイギリススコットランドで結成された4人組ポップ・ロックグループ。
ボーカルでギターのDr. Robertが中心になって結成され、ファーストアルバム『Limping for a Generation』を、1984年にリリースします、が、アメリカでも、母国イギリスでも、全くヒットしませんでした。

続いて出した2枚目のアルバム『Animal Magic』で、ようやく火が付き、このアルバムからのセカンドシングルがこの曲"Digging Your Scene"で、アメリカ、イギリスともチャートを上昇、アメリカで最高位14位、イギリスでは12位を記録するヒットとなりました。

ポップ・ロックグループと書きましたが、バンドの構成で、サックス奏者がメンバーに入っています。ロック・ポップというよりも、かなり、ソウル、ジャズの雰囲気が強いグループです。
この曲も、ジョー・ジャクソンや、スタイル・カウンシルを思い出させる、ジャズっぽい曲でありました。

"Digging Your Scene"の曲の作者はDr. Robert。アルバムの曲もすべてDr. Robertが作っているようです。Dr. Robertのワンマンバンドといってもよいでしょうか。
全米のチャートでは、ヒット曲はこの曲のみ。完全な一発屋で終わってしまいましたので、バンドについては分からないところが多いです。イギリスでは、この曲以降も、90年頃までヒット曲を出し、一旦解散した後、再結成し、今でも活動を続けているようです。
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