浅倉卓弥の『四日間の奇蹟』を読んだ。「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
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ウイーンに留学中のピアニストの主人公。強盗に襲われた日本人家族を助けに行って、何とか子供だけは助けることができたが銃で撃たれて薬指を欠損、ピアニストとしての生活を断念。両親を失った助けた少女は脳に障害があって、身寄りもなく引き取ることに。しかしこの少女はピアノを弾くと天才的な才能を発揮、いろんな施設に演奏に出かける日々を過ごしていたのだが、あるリハビリ施設で起こった出来事は・・・。
前半と後半で全く違う作品じゃないかと思うほどの展開をみせるおはなしで、後半のおはなしで描かれるのはタイトルにある四日間の奇蹟。正直ミステリーじゃないと思うのだが、なかなかに読ませる作品で読み応えあり。
以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
訪れた施設で起こったヘリコプターの事故で瀕死の施設職員。死を目前にして、なぜだか少女にのり移って出てくる。タイトルにある四日間の奇蹟はこのことで、四日目の最後にはなぜか主人公が少女にのり移って「月光」を演奏。ここまでくるとなんだかなぁって感じだが、巧くまとめていて楽しく読める作品だ。