movieloverの辛口日記2!

50代のおっさんの日記です。書きたいこと書いてます。

『小さいおうち』(中島京子)

2024年12月25日 00時02分02秒 | 読書

中島京子の『小さいおうち』を読んだ。直木賞受賞作。

昭和五年に尋常小学校を卒業後東京へ出て、老いるまで女中として過ごしたタキが、老後に回顧録の体裁で語るお話し。そのほとんどが平井家での出来事で、奥方の時子や子の恭一、平井家に出入り板倉さんなどと過ごした時のことを綴っている。戦前から終戦直後までのお話しがメインで、どれほど時代考証が正しいのかはわからないが、戦時下の雰囲気が感じられる。

タキの死後、彼女の回顧録のノートをみた甥の子が、漫画家イタクラショージ(板倉さん)の記念館を訪れ、平井恭一を訪ねて、当時起こったことを確認する最終章が秀逸。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

小さいおうち (文春文庫) [ 中島 京子 ]
価格:715円(税込、送料無料) (2024/12/24時点)


 

構成が巧く、楽しく読める。幸せな読後感に浸れる作品だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする