浅田次郎の『おもかげ』を読んだ。
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会社の定年を迎えた竹脇正一は、送別会からの帰りの地下鉄車内で倒れて病院の集中治療室へ、重篤な状態。そこへ訪れる妻、娘、娘の亭主、施設時代からの友人、会社の同期などの回想で竹脇の人生を描いていく。そして同時に竹脇の心は病院から抜け出しいろんな女性と出会うのだが・・・。
いやー、著者の巧さがよく出ている作品で、ややコミカルな語りながら最後は驚きの泣かせる展開で面白い!
以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
主人公の竹脇はいわゆる捨て子で、施設で育っていて父母が誰かは知らない。そんな彼の心が、いまわの際に病院を抜け出して出会う女性たちはすべて実母。生まれたばかりの彼が捨てられるところまで描かれていて・・・。ラストでは、幼少期に亡くした長男まで出てきて涙を誘う。
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