朗善先生語録
レッスン中に先生の携帯電話が鳴った。朗善先生は腰につけた携帯電話ベルトから、憎憎しげ...

大昔火は生きてゐた烏瓜
私の父が局長で、母と叔母が窓口嬢をしてた村の郵便局よりも小さな銀行に、初めて自分名義の...

林檎むき無事出産の報せ受く
ミスターLに、女の子生まれる! 弓子・弦子の最初のチェロ先生からイーメールがくる。十月に...

母はもう吾を叱らぬ烏瓜
銀行へ行き、窓口で入金(今日は白人の男性がいた)して領収書をもらう。念のためマシーン...

だらしなくシヤツ着て秋のサングラス
今日JFと会った。英語レッスンだけど、友人と話した気分。厳しいコレクトを受けた、宿題も一...

パンの香の運ばれてきし秋の雨
工事で道が混んでて駅への送迎バスが遅れた。地下鉄を乗り継いでバレエレッスンに走ってくと...

北端の町の野分の旗の音
年四回のはらもも句会も、はや三回目。秋の会は、マンハッタン北端のインウッドヒル公園を四人で吟行する。集合時には小雨も降ったが、自然公園を二つはしごして歩くうち、だんだん晴れ、雨あが...

耳立てて野分の犬の並びけり
朝っぱらからJFの英語レッスンの宿題(短い自叙伝と、「私はなぜH・Mの本が嫌いか」)を二つ...

赤ん坊包んで抱いて水の秋
昨日はコロンバスデーで学校がお休み。弓子と弦子はバッハ合戦をしてた。昔、寺内タケシが勝...

石畳濡れて木の実の落つる音
ひきこもりであった弓子さんが出歩くようになった。理由はダイエット。昨夜も夕食後、三人で町へ出て、紀伊国屋で本を買い、弦子さんをコーラスに送る。帰り道、地下鉄を出たら、アリスタリーホ...