22℃の山中から、32℃の松山に来ている。
羽田空港で、空席待ちの疲れ切った沢山の家族を見た。彼らの為にもなると考え、一万円の礼金でこの便の席を譲り後の便に乗りますよ、という申し出にサインアップしたのだが、申し出た人が多かったのだらうか、我らは席を譲れずにその便に乗った。
家族はみな申しあわせたやうに、「東京ばな奈」とか、「東京ひよ子のひよ子」とか、似たやうな人気銘菓の紙袋を何袋も何袋も持って立って居る。帰省ラッシュに決まって居るのだからスーツケースの中に入れるとか予め送るとか、すればよいだらうに、両手に袋を一杯下げて佇む家族を見ていると、その苦労に頭が下がる。聖家族という一幅の絵になる風景。いや皮肉でなく。
