塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

シティとチェルシー、レアルの監督選びは果たして

2013-03-05 23:39:10 | 日記
 グアルディオラ招聘に動きながら、まんまと振られたプレミアの2クラブチェルシーとマンチェスター・シティ。

 前者は既に暫定政権であったベニテス体制が今季終了後に解体することが確実となり、後者はベップと同胞であり、
かつて同じ釜の飯を食べた

 「チキ・ベギリスタイン」

 を招聘するも、その情熱が実ることはありませんでした。

 チェルシーがモウリーニョ再登板に動いていることは確かで、そうしますとレアルも後任監督を探す必要がありま
すが、イベリア半島を覆う不況という雲が晴れない今、ペレスも大盤振る舞いするわけにはいきません。

 ですから今夏の監督問題はこの3クラブを軸に展開することは間違いありません。

 ラツィオとインテル時代もそうでしたが

 「マンチーニでは国内を制覇できても欧州制覇は無理」

 と言われ続けてきました。

 シティでもFAカップとプレミアのタイトルが入手できたものの、確かに欧州の舞台ではファンでさえ目を覆いたく
なる惨状が相次いでいます。

 もう移籍してしまいましたが、マリオ・バロテッリがマンチーニは本当に正直で、モウリーニョのような二枚舌を使
わないことを歓迎していました。

 この正直さ、言い換えれば真正面過ぎる性格がピッチの選手たちにも伝播し、相手が唸るような閃きが存在しないの
かもしれません。

 シティにはシルバとナスリというプレミア有数のプレイ・メイカーがいますから、猶更批判されてしまいますが。

 単純に彼が率いてきたクラブが欧州の戦いに慣れていなかったという側面もあるでしょう。

 確かにインテル時代はチャンピオンズ・リーグでは失望を味わいましたが、インテルが輝いた最盛期は40年も前の
話で、90年代に3度獲得したUEFAカップとも趣は違いますしね。

 シティとラツィオもコンスタントに欧州の舞台にたったわけではありませんでした。

 その歩みの薄さを埋めるのが指揮官の手腕なのでしょうが、選手の経験値もまた問われますからマンチーニにはいさ
さかアンフェアな面があると思います。
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コンバートと選手の気持ち

2013-03-05 02:02:35 | 日記
 前回お話したように、サッカーの世界ではコンバートでより大きな成功を得る選手がいます。

 ティエリ・アンリはその代表例と言えますし、自らレジスタへのコンバートをアンチェロッティに進言したピルロの例も
そうですね。

 イタリアではジャンルカ・ザンブロッタの例も有名で、バーリ時代は優れたライトハーフだった彼を、リッピがユヴェン
トス時代にサイドバックに転向させたことで、アズーリも守備陣も大きく変容しました。

 コンバートというのは成功例すれば、

 「彼は素晴らしい、こんな優れた選手だったのか!」

 と称賛される一方、結果が伴わなければすぐに罵倒されます。

 ファンは表面上の姿しか見ようとしません

 「どうして彼はこのポジションをあてがわれたのか」
 「どうして監督は彼のコンバートを決断したのろう?」

 などとは考えず、慣れないポジションで奮闘する彼らの気持ちを推し量ろうとはしません。

 コンバートは選手の能力を最大限に発揮させる要因になりますが、逆に言えばそのポジションが弱点という見方もできま
す。

 補強資金のねん出が難しい、ユースからの抜擢も難しい

 これらが理由ならば完全にクラブ、GMの怠慢でファンは選手ではなく彼らを罵倒すべきなのですが、残念ながら批判の
矛先はどうしても選手になってしまいます。

 日常選手を近くで見ている監督には、技術と体力、持久力やメンタル・タフネスなど、総合的に判断して別のポジション
をあてがう方が、その選手がより高い力を発揮できると思えるのでしょうね。

 日本代表の選手たちも、例えばハーフナーや長谷部が代表とクラブで異なるポジションで奮闘しています。

 長友もそうですね。

 最初はやはり違和感があるのが当然で、反発も覚えるはずです。
 
 しかし彼らがそのマイナスの心を封印し、新しい自分を目指すことに汗を流している姿を、僕は本当に凄いことだと感じて
います。
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ヴェンゲルの才覚、アンリのコンバート

2013-03-05 01:48:18 | 日記
 今ヴェンゲルの視線の先にいるセオ・ウオルコットの中に、彼はユヴェントスから移籍したばかりのティエリ・アンリ
の面影を見ているのかもしれません。

 アーセナルはご存知のように今季ファン・ペルシをユナイテッドに売却し、その後釜にモンペリエからフランス代表の
ジルーを獲得しました。

 サンティ・カソルラが本当に素晴らしい動きでアーセナルを牽引する中で、彼らがスパーズを最後まで押さえつけ3位
を死守するのは、センターフォワードの働きが鍵を握ります。

 ヴェンゲルがウオルコットを1トップで起用した際、このイングランド代表は溌剌とした表情で躍動したと聞きました。

 サザンプトンから移籍して名実ともにアーセナルの主軸になるであろう思惑が思いのほか時間がかかっているのは、彼
の故障壁だけでなく、案外

 「ポジションと使われ方」

 にあったのかもしれません。

 モナコ時代にヴェンゲルに師事したアンリは、そのユヴェントスに移籍します。

 ただ1999年当時のイタリアにはフランス、移籍後のイングランドには見られなかった戦術の緻密さ、彼がウイング
として使える空間もなく、思うような進歩が見られませんでした。

 ヴェンゲルがアンリをウイングではなくセンターフォワードにコンバートした理由として

 1・優れた技術と敏捷性
 2・アンリの突破力ができるだけの空間がゴール前に存在した

 この2点が大きいと思います。

 また恐らくヴェンゲルはアンリをセンターフォワードで起用し、彼をMFがバックアップするという補強策を考え、既に
在籍していたベルカンプの他、ユングべりにロベール・ピレスにトマス・ロシツキーが加わっていきます。

 若き日のセスクもそうですし、中盤の底ではパトリック・ヴィエラが君臨していましたね。

 ヴェンゲルはアンリのコンバートが彼に重荷にならぬよう、クラブ全体の調和を活かした戦術を植え付けました。

 だからこそ2003-04シーズンの無敗優勝が成立したのでしょうし、今でもアンリはヴェンゲルを慕う理由でもあり
ます。
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