夏目漱石の人生を小説、単行本となった伊集院静の作品「ミチクサ先生」
講談社文庫では上巻・下巻の2冊で刊行されており、読み通すのが難しいという印象が強いのですが、実際はそんなことはないですよ。
僕は友人や恋人など、人間関係に希薄な人生ですが、この小説を読みますと
恩師と出会うことの意味合い
友情と現在ではある意味で陳腐に思える感情が、明治時代にはもっと色濃い
ということがわかります。
正岡子規と夏目漱石が互いに敬意を払うこと
漱石の足跡を追い、自分の糧にした寺田寅彦
など、伊集院静の文章は、彼らの心情を損なうことなく筆を進めます。
漱石は、自分では意図しないものの、多くの後継者を作ったとあります。
先に記した寺田寅彦はその代表格ですが、案外グアルディオラも自分の意志とは関係なく、自分の練習方法、戦術を意識した指揮官を生み出しているのではないでしょうか。
彼自身はFCバルセロナ在籍時のヨハン・クライフ、そしてファン・リージョに大きな感銘を受け、同時にイタリア、メキシコに移籍し
スペインとは異なるサッカーの風景
攻撃のためには守備の意識が不可欠だからこそ、イタリアへの移籍を決断
したわけです。
その大きな財産が現在の糧になっていますが、グアルディオラの本当の功績は、自分の後を追い邁進する新しい指揮官たちを生み出していること、かもしれませんね。
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