ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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宗像大社に行ってきました

2019-05-01 19:19:09 | 旅行
昨日、GWの一日を利用して、宗像大社に行ってきました。

宗像大社といえば、近年世界遺産にも指定されたところですが……
そもそもどういう存在なのかというのがなかなか複雑なので、はじめに、その点をちょっと説明しておきましょう。

私も今回行ってみてはじめて知ったんですが、「宗像大社」という一つの神社があるわけではないんですね。

沖ノ島にある「沖津宮」、大島にある「中津宮」、九州本土にある「辺津宮」の三つをあわせて、「宗像大社」といっているんです。つまり、本土と二つの島に散らばって存在する三つの神社を、まとめて宗像大社というわけです。これは、全国的にみてもなかなか独特なんじゃないでしょうか。

なかでも重要なのは、沖津宮がある沖ノ島。
海上にぽつんと浮かぶこの島は、古来航海者にとって重要な目印だったらしく、そのことから、航海を守る女神が祀られるようになったそうです。
古代の日本にとって、大陸との交易は重要でした。その交易路の要衝に位置しているということで、朝廷にとっても沖ノ島は特別な意味を持っていたようです。三つの神社に祀られる三人の女神は天照大神を守護する存在ということで、宮司である宗像氏は皇室とも深いつながりを持っていたといいます。


ただ、沖ノ島に上陸はできないので、ここには行けません。
私が今回行ったのは、大島のほう。


大島へは、神湊港からフェリーで。





およそ20分ほどで到着します。


島にはレンタル自転車があり、これで移動しました。
すべて電動アシスト仕様になっていて、なぜだろうとはじめは思ったんですが……島内を移動してみればその理由はわかります。とにかく坂道が多く、電動アシストがなければとても無理なんです。

以下、島をおよそ一周して見たものを紹介していきましょう。

中津宮の隣には、湧水が出ているところがあります。





なかなか雰囲気が出ていていいと思います。


中津宮を出ると、島の北西部へ。
山中の道を自転車で進み、北側の海岸に出ます。







ここには、洞窟があります。
ただし、自転車ではいけません。崖を開いてつくった階段を徒歩で降りると、海面近くまで降りたところに入り口が。



洞窟といっても、おそらく自然にできたものではなく、人が掘ったもの。江戸時代にキリシタンが潜伏していたそうです。


そこから、海岸線にそいって東へ移動すると、風車があります。



その近くには、砲台の跡。



戦前には、ここに砲台が置かれていたそうです。



この画像に映っているのは、あるいは後に復元されたものかもしれませんが……



日露戦争時の日本海海戦があったのはこの近海。近くには、日露戦争戦没者の慰霊碑もありました。


ここからは、島の中央部へ。

中央部へ行くほど標高は高くなり、電動アシストがあっても自転車ではかなりきつくなってきます。



最後の心臓破りの坂を上り切ると、そこにあるのが御嶽山神社。







同じ名前の神社は日本各地にあると思いますが、山岳信仰ということでしょう。
この日は周囲がかすみがかかっていて、神秘的な雰囲気でした。


アスファルト舗装された道路はここを終点として行き止まりになっている(ただし、遊歩道で南海岸に抜けることは可能)ので、いったん北の海岸に戻ります。



島の北部には、遥拝所があります。



沖ノ島にはそうそう行けないわけなので、ここから沖ノ島を拝むことができる、という施設です。



こういうさびれた廃墟感はいいですね。


さらに東のほうにまで海岸は伸びていますが、今回は、時間の都合で島の東半分は断念。ここから、南へ戻ります。


南東海岸にある、海の小道。



干潮時にしかあらわれない道といいます。



その近くにある、夢の小夜島。



飯尾宗祇が歌に詠んだのだとか。


南海岸に戻ってきたところで、フェリーで本土へ帰還。

帰路、道の駅むなかたに寄ってきました。

そこで売っていたソフトクリーム「玄海の塩」です。




本土にある、辺津宮にもいってきました。



本土にあるだけあって、中津宮と比べるとだいぶ敷地が広いです。
奥のほうには第二宮、第三宮というものがあって、ここに参拝すると沖津宮、中津宮も合わせて参拝したことになるといいます。
なんという裏技……
だったらわざわざ大島に行く必要ないんじゃないかという話になってきますが、私個人の感想としては、大島には行く価値が十分にあると思います。
北部海岸の崖や岩塊の存在感は、ここに載せた画像ではなかなか伝わりません。あれは、その場で体感してこそ価値があると思いますね。

ただし、自転車でまわるのはかなりしんどいので、大島に行こうと考えている方には、フェリーで車を持っていくことをおすすめします。


SL人吉に乗ってきました。

2018-05-06 15:56:27 | 旅行
いよいよ帰路です。
帰りは、“SL人吉”を利用します。

これこそが、今回の旅行の目的。
これに乗るために、人吉までやってきたのです。

SL人吉は、熊本-人吉間を往復する蒸気機関車。
期間限定で、しかも一日一往復しかしません。乗るためには予約が必要で、なかなかチケットがとりにくいそうです。

私はとりたてて鉄道マニアというわけでもありませんが、SLというのは、心を震わせる何かがあります。幸いチケットをとることができたので、これはもう行くしかないということで、熊本行きを決めたのでした。

下の画像は、人吉駅に入ってくるSL人吉です。


人吉に到着すると、いったん車庫へ。


この車庫もいい味を出しています。


説明書きによると、国内唯一の石造車庫だそうです。



石造りというのもそうですが、ところどころ木造の部分があるのもいいですね。



さて、人吉に到着したSLは、折り返して熊本へ向かいます。そのために、車体を回転させる“転車台”という設備があります。


これが、その転車の様子。


客車から切り離された機関車だけが方向を転換。


方向転換のためなら半回転すれば事足りると思うんですが、一回転半していました。
そういうものなのか、ギャラリーむけのサービスなのかはわかりませんが……



方向転換が完了すると、機関車はふたたび本線に戻って客車に連結されます。




そこからホームへ。


ホームでは、撮影する人も多くいます。
日付入りのパネルと一緒に撮影してくれるサービスもあります。

そして、14時38分、いよいよ出発。


SLは、途中のいくつかの駅で10分程度停車しながら進みます。

沿線にはレトロな木造駅舎も多くあり、そういったところを見物しながらゆっくりと汽車は熊本を目指します。
下の画像は、一勝地(いっしょうち)という駅。


その地名から、受験生が多く訪れるといいます。
駅の入場券は、お守りのような形。


そしてこちらは、白石駅。郵便ポストもいい味出してますね。



人吉―八代間は、球磨川沿いを走っていきます。
鉄橋なども多くあり、いい雰囲気です。



およそ2時間半の旅程を経て、SL人吉は熊本駅に到着します。

やっぱり汽車はいいですね。

これに乗るためだけに熊本へ行く価値は十分にあると思います。

最後に、車内で配布されている乗車記念証の画像も載せておきましょう。


車内にはスタンプもあり、スタンプを押して完成。


いま気づきましたが、裏面に桜のことが書いてありますね。
乗っているときはわかりませんでしたが、沿線には桜の木があるようです。桜の中を走るSL……いいですね。今度は、来春行ってみますか。予約をとるのは相当難しいんでしょうが、沿線の駅でその姿を見るだけでも十分見ごたえがあることでしょう。

人吉へ

2018-05-05 23:11:59 | 旅行
熊本旅行の続きの記事を書きます。

八代を出ると、いよいよ目的地である人吉へ。

着いたのは、夕暮れ時。駅舎に趣があります。


駅前には、“からくり時計”も。


一定時間ごとに、からくりが作動します。
動くと、こんな感じに。


人吉は温泉地で、あちこちに温泉があります。私が利用したゲストハウスの近くには、なつかしい感じのする銭湯のような温泉もありました。妖怪でも出てきそうなたたずまいがたまらないですね。




翌日の朝には、青井阿蘇神社というところへ行ってきました。


阿蘇神社からわかれた神社の一つだそうで、いくつかの建造物が国宝に指定されています。
くっつくような形で青井稲荷神社というのもあって、稲荷神社によく見られるあの鳥居の通路がありました。



ここからは、人吉に関する情報をもう少し。

人吉というところは、「まいてつ」というゲーム、アニメの聖地となっているそうです。


私はまったく知りませんでしたが、聞くところによると艦コレの鉄道版みたいなやつで、近々アニメが放送されるらしく、ヒットするんじゃないかといわれています。

また、『夏目友人帳』の舞台となる村のモデルも、この人吉とのこと。作者の緑川ゆきさんが人吉の出身なのだそうです。
先ほど“妖怪でも出てきそうな”といいましたが、人吉には古い神社もあり、また“幽霊寺”なんてものもあったりして、そういうインスピレーションをかきたてるものには事欠かなかったということなんでしょうか。

さらに出身者のことでいうと、ウッチャンナンチャンの内村光良さんも人吉市の出身。そんなふうに見ていくと、この人吉というところ、なかなか侮れません。

さて……

そんな人吉に、私がいったい何をしにきたのかということなんですが……
それについては、また次の記事で書きましょう。
私は、聖地巡礼にきたのでも、温泉に入りにきたのでもありません。この人吉には、この記事ではまだ書いていない、私にいわせると最大の魅力をもつものがあるのです。
なにしろそれだけのものなので、ほかの記事と一緒に書くのもはばかられます。そういうわけで、またあらためて、別の記事で書こうと思う次第です。

熊本にいってきました。

2018-05-04 22:29:29 | 旅行
ゴールデンウィークを利用して、熊本へ行ってきました。

人吉というところに行って一泊して戻ってくる行程ですが、その途上、熊本県内のあちこちに途中下車してきました。

最初の途中下車は、熊本市。



レトロな感じの路面電車に乗りました。



床が板張りという古風さ。載った瞬間に、古い木造物特有の匂いが立ち上って、なんともたまりません。
ほかの車両は、そのあたりの電車とあまり変わらない感じの内装だったので、私が乗ったこれは“あたり”だったようです。



行き先は、熊本城。

熊本城は、2年前の熊本地震で大きな被害を受けました。
今でも、その傷跡があちこちに残っています。







震災当時こうした映像をニュースで見てはいましたが、城壁や櫓などは今でもほとんどそのときのままのようで、なかなか再建が進まない難しさを感じました。
城内の何か所かに崩れた石垣の石が並べて保管されているんですが、あれを元通りに組みなおしていくのは、たしかに途方もない作業でしょう。

敷地内のかなりの部分が現在でも立ち入り禁止となっており、天守閣も、再建の途上。



この天守閣の再建が最優先になっているためにその他の部分は手が回らない状態なのでしょうか……


熊本城が再建途上というのは見聞きしていましたが、正直なところ、ここまでの状態とは思っていませんでした。
もうだいぶ震災前の状態に近づいているだろうと思っていたのですが、そう甘くはなかったようです。
行楽の記事でこうした画像を載せるべきかどうかちょっと迷いましたが……しかし、熊本城がいまこういう状態だというのは一つの現実です。そこで見たものをそのまま報告するのも意義のあることだと思うので、掲載しました。
とにかく一日でも早く、もとの姿を取り戻してほしいと思います。

東京にきています。

2017-12-30 18:42:10 | 旅行
年末の休みを利用して、東京にきています。

文庫のプロフィールや解説にもあるとおり、私は東京学芸大学という大学に在籍していました。なので、しばらく東京に住んでいたことがあります。
今年は、本を出版したということがあったので、この機会に集まろうという話になり、上京しました。

昨夜はサークルの人たちと、今日は同じ学科(英語科)の同期生との集まり。

久しぶりにみる顔が多かったです。
最短で、3、4年ぶり。長い人だと、15年ぶりぐらい......こうして書くと、年をとったなあ、としみじみ感じます。ですが、なんだかみんな元気に頑張っていて、ほっとするような気持になりました。

せっかくなので、大学やその周囲もみてきました。
大学の構内も変わっているところは結構ありましたが、講義棟などはほとんどそのままでした。



年末なので人の姿はほとんどありませんでしたが、ここで暮らしていた日々のことが思い起こされました。あの頃は、作家になるなんてまったく思っていなかったなあ......

また、大学の近所に某大手レンタル屋兼書店があるのですが、そこに行くと、拙著がオススメの本として置いてありました。付近にある大学の出身者だからということでしょうか。ありがたいかぎりです。

今回の集まりでは、また来年もやろうという話になりました。
今度上京するときは、ぜひとも新刊を引っ提げていきたい......そのためにも、ちょっと気合を入れていこうと思いました。