花見の季節になりました。中国で花といえば桃の花のはずです。どちらにせよ、花の季節、やはり昔も今も花見はあったのです。そして、花より団子といいますが、花見の酒もつき物です。
李白のこの詩では、唯独り酒壷を抱えての月見です。この続きが「杯を挙げて明月を邀え/影に対して三人となる」です。飲み相手が無くても、杯に写る月と自分の影を合わせれば三人になると言うのです。月を友としての花見酒です。「玉杯に花受けて」という歌がありましたが、ここは「玉杯に月を浮かべ」て飲む酒ですね。
酒は静かに飲むべかりけりという言葉がありますが、後半で「我歌えば月徘徊し/我舞えば影凌乱す」と出てきます。一人で酒と戯れているのです。このあたりどのように理解するのがいいのでしょう。歌うのは分かります、ただ舞うと言うのは本当に立って舞うのでしょうか、多分体を動かすくらいのことでしょう。それとも唯、杯に写る月と自分の影が揺らめくのを眺めているだけなのかもしれません。でもいい酒飲みですね。
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