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-消された名著 菊池寛「大衆明治史」Part1-(GHQ焚書図書開封 第32回)

2017-03-15 12:39:22 | 近現代史
GHQ焚書図書開封 第32回
-消された名著 菊池寛「大衆明治史」Part1
 菊池寛の人物像を描いた明治の歴史書。武力の集中を目指した廃藩置県、廃仏毀釈、神仏分離など急激な変革を苦々しく思う西郷隆盛。
戦うのは武士階級で、平民、農民階級は兵士になってはならないと言うのが武士階級の西郷の考えであった。
征韓論で大久保と西郷の決裂は決定的なものとなった。沖縄領土化問題で化外の地の台湾へ出兵した大久保の矛盾した行動(征韓論に反対していた大久保が外国に出兵した行動)。
スペインのマリア・ルース号事件(捕らえられていた清国クーリーを二百数十名を救い清国に帰した)と副島種臣の対応。
大久保利通、木戸孝允、西郷隆盛の三傑亡き後、伊藤博文(長州)、薩長以外の大隈重信の時代。
不平、不満武士の支持を得、野党側にたった大隈。そのあとに、自由民権運動の板垣退助が続く。
庶民が士族の特権を得ることは、皆兵を意味していた。四民平等とは国のために戦うことにおいても士族と平等でなければならない。同時に、江戸時代の町民のような自由さはなくなっていったのである。
古来、ヨーロッパの王家間の戦い方は傭兵によっていたため、傭兵を確保する「金」と「金」との戦いであり、「金」を確保するために、植民地から財宝、資源を搾取する侵略が常態化するようになった。
日本では、明治以降、傭兵に相当する武士階級への金が不必要になり、徴兵制度で兵士が容易に確保でき、大規模化できるようになった。
自由民権論の政府攻撃の矛先は藩閥政府に向かい、皇室には向かわなかった。300年程度のフランスの王家の歴史に比べ、日本の皇室の歴史の長さによる尊い権威の観念が国民に定着していたためである。
庶民に人気のあった後藤象二郎と板垣退助。岐阜遭難事件で傷を負った板垣を治療した後藤新平(後の台湾総督)。NHKの捏造放送「ジャパンデビュー」では後藤新平を悪者扱いにしている。
愛国野党の大隈は不平等条約(最恵国条款、治外法権、関税自主権なしの片務条約)に対し、法的解決に苦心した。
参考文献:「大衆明治史」菊池寛 昭和17年刊行、『GHQ焚書図書開封3』第8章 489~557P
https://www.nicovideo.jp/watch/sm7776783



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