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ー乃木将軍夫妻の自決~眞山靑果より-(GHQ焚書図書開封第194回)

2022-12-19 14:46:32 | 近現代史

GHQ焚書図書開封第194回

ー乃木将軍夫妻の自決~眞山靑果より-

無方法

小使が、学習院長乃木大将の居室や寝室へ、用をたしに入っていくと、大将は、

「私のことは私がする。呼ばなければ、来なくともよろしい。」

すべて自分の手で始末してしまう乃木大将だった。ある日、大将が小使室へツカツカと入ってこられると、小使が云った。

「何か御用でございますか。」

「ああ、茶が飲みたくてな。」

「お茶でございますか、それならお呼びくだされば、持ってまいります。院長閣下が小使室などへ、お出向きなるものでございません。」

日頃のシッペイ返しのつもりで、思い切って云うと。

「ウン、そうか、参った。私の室へ茶を一つ持ってきてくれ。」

ニコニコしながら、あわてて帰っていかれた。今まで頑固一方の院長閣下だとばかり思っていた小使は、全く心から服してしまった。

人を心服させるのに、方法はない。

 

第三幕 最期の日

その一 乃木邸、将軍居間

その二 同じく階下一室

 ・

 ・

その四 邸内階下の一室

 

参考文献:「日本的人間」山中峯太郎、「乃木将軍」眞山靑果

2019/04/10に公開



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