東京オリンピックの年に式を挙げてから54年がたった。波乱万丈とはいえないものの、喜びや悲しみ、また苦しかったことなど、長い年月だったが、よくぞこれまでこれたものだと感無量なものがある。
それにしてもわがままな亭主だった。家事洗濯はもとより娘のしつけや教育など、長い間、一切合切を"うちの奥さま”に任せきり。
毎日が日曜日になってからも変わりはない。
料理が上手な"うちの奥さま”。一日3度の食事はわたしの好みや栄養などを考えながら、手を変え品をかえ、毎日、欠かすことなく作ってくれる。
毎日の洗濯物もすべて"うちの奥さま”。わずかにごみを収集場所に運ぶ作業と、夜の戸締りぐらいが私の仕事。
54回目の結婚記念日を無事に迎えられたのも、考えれば考えるほど"うちの奥さま”のおかげ。
その夜、ワインで乾杯しながら、改めて「長い間本当にありがとう。これからもよろしくね。」と、あらためてこころからの感謝の気持ちを言葉で伝えた。