九州の大都会福岡市に住む甥から結婚式の招待状を受け取ったのは9月の終わり頃だった。嬉しかった。
年をとるにつれだんだんと外に出る機会が少なくなっている。今年になってまだ福岡(博多)へ出かけたことがない。九州新幹線が開業したと言うがこれを利用する機会もほとんどない。娘のマンションの窓から猛スピードで通過する新幹線を眺めるのが楽しみの一つ。
招待状をもらってから、間をおかず「喜んで出席させていただきます」と返事を出した。
ところがその後が悪い。魔多しというか自動車事故に遭い、さらに十二指腸潰瘍で入院するアクシデントに見舞われ、残念ながら欠席のはがきを出さなければならなくなってしまった。
博多の町の風景も、新幹線も夢のように消えていった。残念なことこの上ない。遠くから離れた熊本からではあるが、新郎新婦にお祝いの言葉を贈ることとしよう。
結婚式から帰ってきた“うちの奥さま”。盛大な結婚式だったとご満悦の様子。でも疲れましたと一言。
今風の結婚式、プロの司会者がたんたんとプログラムにそって式の雰囲気を盛り上げてくれる。賑やかだがなんとなく老人には味気ない場違いの感がしたと、奥さま感想を漏らしていた。