昨日の朝、眼を覚ますと雨が降っている。天気予報では昼ごろには雨も上がり、暖かい絶好の花見日和になるとある。そこで毎日が日曜日の老人夫婦、行きあたりばったりに花見としゃれこむこととした。
11時半のバスに乗る。まずは花より団子。市内中心部のデパートで花見弁当を探す。ところが時間が遅いのか花見弁当はすべて売り切れ、あり合わせの弁当で我慢することとなってしまった。
花見の場所はまだ決まらない。“どこにしようか”と人ごみを避けながら夫婦会議を開く。
花の名所は沢山ある。もちろん熊本城のサクラが一番だが、毎年そこでの花見が恒例となっており、今日はどこか別のところでと夫婦の意見が一致した。
いつもこの時期、テレビ等で話題になるのが健軍の自衛隊通り。サクラの時期には一部が歩行者天国にもなるという。決まり。
久しぶりに健軍行きの市内電車に乗った。途中、初めて訪れた健軍神社で家内安全と健康を願ってお参りした。立派な神社だ。参道は八町馬場と呼ばれる立派な道路、祭りではここで流鏑馬が行われる。道路脇の風景をゆっくりと眺めながら歩いて目的地健軍の自衛隊通りへ向かう。驚いた約1㌔の広い道路の両脇に咲く見事なサクラは今が満開。
だが、残念ウイークデーで歩行者天国にはなっていない。ひっきりなしに車が走っている。休むところも弁当をいただくところもない。歩道は、騒音と埃の渦だ。午後2時近くになっている。お腹がグーと泣いた。バス停があった。夫婦で話し合った。ここでの花見は諦めよう。街へ引き返し熊本城でお弁当を食べようと。
熊本城のサクラは見事なものだった。人出も多い。午後3時をすぎていた。
木陰の静かな場所を探しやっとお昼のお弁当にありつけた。
それからが花見の本番。今年のサクラを満喫することができた。
こんなことなら最初から熊本城にすればよかったと2人でぼやくことぼやくこと。でも、楽しかった。夫婦の楽しい語らいの時間だった。「来年はここにしようね」と“うち奥さま”が言った。今日の花見はとても楽しかったようだ。持ちろん私も!
暖かい1日だった。帰りのバスには冷房が入れてあった。
今日で今年度は終わり。明日は出合いの季節、別れの季節の始まり。