地震にかまけて薬のことを忘れていた。年を重ねるごとにお医者さまとの付き合いが多くなっている。
先にブログに書いた喉頭の腫瘍、良性とはいうものの少しだが大きくなってきた。薬がかがせない。1か月ごとに診察を受け、薬をいただくこととなっていたが、お世話になっているクリニックは地震でしばらく閉院となった。1週間が過ぎたころから診療を始められたが、水道水が濁り十分な診療ができないという。次の診察日はゴールデンウイークのあとになった。前回の検査から2月ほどたってしまう。
他にも、高血圧、尿酸値の生成を抑える薬、歯の痛みどめ、胃潰瘍の薬、など年中欠かすことのできない薬はたくさんある。切れている薬のことを思い出し、地震で少し遅くなったがゴールデンウイークの始まる前に薬をいただこうと、市内中心部に近い、内科、耳鼻咽喉科、歯科の3つのクリニックを掛持ちした。
途中、立ち入り禁止の赤紙が張られた何軒かの崩れかけた家やビルの前を通った。瓦がずり落ちてしまった哀れな姿の熊本城の天守閣や崩れた石垣、倒れてしまった長塀を遠くから眺めることができた。地震の被害の大きさをがひしひしと感じられる。コンビニ入口のガラス戸に「がんばれ熊本」と手書きされたポスターが貼ってある。今も避難されている方々のことを思うと何かわびしさを感じる。
日に数十回の余震は今も続いている。いつ震度6以上の余震が起こるかわからないと気象庁の発表がある。安心はできない。地震の恐怖と不安はいつまでもついて回る。くすりを飲むのも老人の仕事のひとつ。地震にかまけ飲むのを忘れることのない日が、1日も早く来るのを待っている。