私事ではあるが、18歳から吸いだしたたばこ。1日に30本近くもくゆらすヘビースモーカーだった私が、昭和37年10月25日にたばこをやめた。やめた理由はよく覚えていない。だが、80歳を過ぎた今、新聞などで、巷にあふれるたばこの害についての記事などを見るにつれ、早くからタバコを止めていてよかったとつくづく思う。今では街を歩いていて、コンビニ店の前などで、たばこの煙の臭いを嗅ぐだけでもため息が出る。受動喫煙の害も広がっている。
世界保健機関が、設立40周年を迎える1988年4月7日を「第1回世界禁煙デー」と定め、この日、禁煙マークをプリントしたTシャツを着てマラソン大会を開くなど、世界的に禁煙を呼び掛けている。日本では、今日5月31日から6月10日までの1週間が「禁煙週間」となっている。
1995年時点で世界の喫煙者は10億1000万人で、約5人に1人の割合となっていて、毎年世界で300万人の人が喫煙が原因とみられるガンや心臓病で亡くなっている。このままでは2030年代初頭には喫煙による死亡者が、年間1000万人に達するだろうとある。
タバコを吸わなくても受動喫煙の害は広がるという。7月投開票の東京都議選でも、ほとんどの政党が選挙公約に受動喫煙対策を盛り込む方針を打ち出している。政府も公共施設や飲食店などを「全面禁煙」とする法案を検討中だが、厚生労働省と自民党の対立が続き、今国会の法案提出は無理なようだ。
受動喫煙対策を政策の具とするのでなく、1日も早い公共施設や飲食店での「全面禁煙」法制化を待ち望んでいる。
放射線影響研究所(広島)が日本人7万人を追跡した調査では、45歳までに禁煙するとその後の喫煙による病気のリスクが大幅に減るという。
喫煙に害があることは誰もが知っている。社会的にもご自分の健康のためにも、他人ごとではあるが、1日も早い禁煙をおすすめしたい。禁煙は何時始めても遅くない。