暑さ寒さも彼岸までというが、朝晩はめっきり涼しくなってきた。涼しい風に吹かれながらの朝の散歩にも力が入る。
田圃の稲の穂は深く頭を垂れている。稲刈りももう間近なことだろう。
いたるところに今を盛りと咲き乱れる真っ赤な彼岸花があった。まさに彼岸の風物詩とでもいおうか。花の寿命は約1週間、秋の彼岸のころに咲く花として最近は親しまれてもいるようだ。
昔、といっても戦中戦後のころだが、彼岸花は曼珠沙華といった別名に加え、異名がとても多く、死人花(シビトバナ)、地獄花、幽霊花、毒の花などともよばれ、不吉であるとして忌み嫌われることが多く、墓地や田んぼの畔道(あぜみち)、森の中の木陰など、限られた所でしか見ることはなかった。
今朝の散歩で気付いたが、最近では川の土手や、道路脇、個人の自宅の庭先などで、たくさんの彼岸花を見ることができるし、彼岸花を観光資源とする町や村もみられる。なんだか、彼岸花の世界も時代とともに様変わりしてきた感がする。花言葉は、「情熱」「悲しい思い出」「独立」「再会」「あきらめ」。
なんだか真っ赤な彼岸花に愛着を感じてきた。
9月23日の「秋分の日」から1日遅れとなったが、夫婦そろって「お彼岸」のお墓参りに出かけた。
お墓は我が家から約10キロほど離れた城山市営墓地にある。お墓にはバスを乗り換えて行く。待ち合わせ時間もあるがお墓の入り口のバス停まで1時間以上はかかる。バスを降りてからもお墓まではかなりの坂を上らなければならない。年寄りにとってこの坂はとても苦になる。こんなときにマイカーがあればと愚痴の1つも言いたくなる。
バスに乗る前にお花を買った。お花屋には色とりどりのきれいなお花が一杯。どんな花にしようかと迷いながら花を選ぶのだが、その場にはなんだか華やかな雰囲気が醸し出されていた。
秋分の日は24節季の1つ。太陽が真東から上がって、真西に沈み昼と夜の長さが同じになる日でもある。また、この日を挟んで前後3日の計7日間を「彼岸」と呼び、極楽浄土があるという真西に太陽が沈むことから、亡くなった人をしのぶ日とされ、この期間に仏様の供養をすることで極楽浄土へ行くことができると、昔から伝えられている。
お墓詣りは供養の1つと、春秋の「彼岸」の日には必ずお墓詣りをしいるが、これからの自分の歳を考えると、ふと、これが最後になるのではと不安がよぎった。
今日は彼岸の中日をと思いながら、藤崎台球場では秋の高校野球熊本大会の3試合が開催される。。”高校野球大ファン”の老人夫婦にとっては、春の甲子園を目指してがんばる強豪校が出場する今日の試合は見逃せない。”うちの奥さま”と顔を見合わせ、お墓参りは明日と決め、球場へ出かけることとなった。第1試合の開始は午前9時半。球場に行くには、遅くとも8時半のバスに乗らないといけない。”うちの奥さま”、朝の食事のあと片付けもあって大変だったようだ。
夏の大会とはことなり、さわやかな秋空の広がるグランドの涼しい風にあたりながら、いつもお世話になるネット裏特別席の最上階で、若々しい高校球児の大活躍に拍手を送ることとする。
どのチームにどんな選手がいるかさっぱり分からない。いうなれば秋の大会は新人戦といってもよい。各選手は、先日プロ入りを発表した早実の清原選手や、F18世界選手権で好投し、日本選手でただ1人ベストナインに選ばれた秀岳館の田浦選手など、昨年活躍した有名な高校選手を夢みて、この大会でも大活躍するだろうとささやかな期待が膨らむ。
第1試合と第2試合は強豪校の一方的な試合でコールドゲームで終わった。だが、第3試合翔陽(大津町あ)と東海大清翔の試合は、高校野球の醍醐味を満喫させてくれた。1回に4対1と東海大清翔にリードされた翔陽、2回に1点を加え、6回にはさらに4点、1時は翔陽の勝利と思われたが、東海大清祥が7回に2点をあげ同点に、さらに8回に2点を追加し、強豪校が3回戦に進んだ。
いくら”高校野球大ファン”の老人夫婦であっても、1日3試合、固いスタンドの椅子に座って7時間の試合観戦は過労としか言いようがない。腰が痛くなった。準決勝と決勝は次の土曜、日曜。この日もまたあきずに、藤崎台球場へ出かけることとしようかな。
それにしても明日のお墓詣り大丈夫だろうかと心配になってきた。