新緑の立田山に登った。立田山は家から約10キロのところにある標高約150㍍の小さな低いお山。
今の時季、木々の緑がとても美しい。木々にはたくさんの色があることを知った。常緑樹の黒みがかった濃いみどり、わかばの黄色い緑や薄みどり、それぞれの濃淡は言葉では言い表せない。
お祭り広場の芝生の上で、コンビニで買ってきたおにぎりを食べ、少しの時間だったが、大の字になってお昼寝した。登山途中のご夫婦が「天国ですね」と声をかけ通り過ぎていった。
広場の芝生中にはたくさんの「アザミの花」が、今を盛りと咲いていた。ちょうどよい見頃のようだ。家に飾ろうと何本かの花をいただいた。今はあまり見かけないレンゲの花も咲いていた。
広場の土手には野生のお茶の木が数本生えている。その新芽を何枚かいただきリユックに入れた。
そばにある池で、兄弟だろうか2人の子どもさんが釣りをしていた。「何を釣ってるの」と尋ねると「ブラックますです」とすぐに答えが返ってきた。
小さな川のほとりに水神様が祭られていた。花かんざしを思わせるむらさきの「ふじの花」が咲いていた。
きれいな蝶が、地面一杯に咲き乱れる花の上を舞っている。蜜を吸っているようだ。蝶はアオスジアゲハだと後で知った。
家に帰って万歩計を見た。14,500歩と出ている。登山のあとの心地よさにはまた格別なものがある。何とも言えない楽しい1日だった。〝うちの奥さま”が「また登りましょうね」と楽しそうに言う。玄関にはあざみの花が活けられ暖かい雰囲気を醸し出している。
その日の夕餉のテーブルには豪華な山の幸が並んだ。山から採ってきた「お茶の葉」「柿の葉」「アザミの葉」「藤の花」「セリにみつば」などの天婦羅。おまけとしては私の大好きなサツマイモと独活(うど)の天婦羅。乾杯のワインのおいしかったこと、おいしかったこと。
今日の立田山登山、これこそ、登山途中のご夫婦のおっしゃった「天国ですね」。そのものでした。