街に出るのがめっきり少なくなった。月1回の碁会。そのほかは薬を取りに行くくらいかな。たまには映画見物はいかがと妻と話した。
上映中の映画を早速探してみる。何を見ればよいか迷いが先立つ。これを見たいという希望もない。たまの映画見物も、もてあます暇と時間を有効につぶせばよいだけとやっと気づく。
シネコンで上映中の中から「許されざるもの」がなんとなく気にいった。クリント・イーストウッドが監督と主演を務め、アカデミー賞作品賞などに輝いた西部劇をリメイクしたもの。
俳優さんが気に入った。江戸幕府最強の刺客として恐れられた男が、やむを得ぬ事情から一度は捨てた刀を手にしたことから壮絶な戦いに身を投じていく姿を描く。俳優は渡辺謙さんをはじめ、、柄本明、佐藤浩市さんら実力派のキャストが総結集されている。
冒頭のシーンは殺戮の場面の連続、少し気分が悪くなった。だが、率直な感想。明治時代の物語とはいえリメーク版。北海道の雪の大地も、美しい広大な原野も、西部の景色そのものに見えてくる。ストーリーもまた然り。だんだんとその雰囲気に引き込まれていく。
渡辺謙さんの演技、何回見てもかっこいい。柄本明さんの重厚な芸はベテランの演技。佐藤浩市さんの悪役。本当に憎たらしくなってきた。
映画ですっかり気分がよくなった。映画の後の夕食は”とんかつ”の滅法おいしいお店での乾杯。夫婦の会話が久しぶりにはずんだ。「また、映画を観に行こうね」と、妻の明るい声がした。