熊本城ホール開業記念のこけら落とし公演「千住真理子&横山幸雄デュオ・リサイタル」。風邪を引くなど大変だったが、どうやら夫婦そろって楽しく聴くことができた。
7時過ぎに演奏が始まった。千住真理子さんのバイオリン演奏を生で聞くのは初めて。バイオリン演奏のその素晴らしい美しい音色にびっくり、感動した。とくに、最後に演奏されたチゴイネルワイゼン。聴いているうちに体が宙に浮いてくるような感動だった。これまでCDやステレオなどでチゴイネルワイゼンは何度も聞いているが、それとは全く違う。
横山幸雄さんはベートベンのピアノソナタ「月光」を演奏された。力強く素晴らしい演奏だった。ピアノから発する音はとても1台のものとは思えない。いくつもの楽器を混ぜながらの力づよい演奏だった。
それにしても、この夜の会場運営だが、全く話にならない。こけら落としは初めてのことで慣れていないとしても、全くひどい。開演前の会場は怒号に包まれた。
全席指定のはずだが席がない。会場の隅に席にあぶれた多勢の人たちが立ちん坊。あわててパイプ椅子を使って席を作っているようだが、なかなか順番が来ない人がいる。設営中の係員に詰め寄る人も出てきた。「いつまで待たせる」だんだんとその口調が強くなる。
その後、席に座っている人にも、席を立ってくれという。それも広い会場でマイクを使わず肉声だけなので、一部の人だけにしか声は届かない。会場全体がうごめく中で10列31番の私たち夫婦、どうすればよいか迷ってしまった。係り員の説明は、指定席番号の右から3番目の席に移れということが周囲の雰囲気でやっとわかった。言われるままに移動した。だが、その席には別の人が座っていた。
最後は幼稚園のご遊技会。舞台前方に立った係員の方が先生。
1500人を超える園児たちに、大きな声で座席番号1の方はこの列へと右手を高く挙げる。つぎつぎに2番・3番・・・・と、全員を立たせ移動させる。1500人以上と思われる園児たちはすなおに席についた。10分遅れで幕が上がった。
だが、会場の運営者からは混乱のお詫びの言葉は一言もなく、それに変わってか、千住真理子さんが、冒頭のあいさつに混乱のお詫びの言葉を入れた。