「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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佐賀・武雄市長ガレキ提案断念。しかし皆さんのガレキ反対の声を押し潰したい朝日新聞の病。

2011-12-01 17:04:26 | 福島第一原発と放射能

 みなさんの声が多く集まって、佐賀の武雄市長は、ガレキ受け入れの提案を断念しました。こういう声をきちんとあげることは、とても大切です。皆さん、意味があることなんです。いろんな形でこうした動きを作っていくしかありません。皆さん、がんばりましょう。

 しかし、こうしたことを押し止めようとする、マスコミがあきらかに存在します。まず、問題なのは、なんと朝日新聞です。

 今回は、放射性物質が付着しているガレキの受け入れ反対の声が、普通に数多く寄せられていることに、佐賀の武雄市長が、自分の考えを押し通すことができなくなっただけなのは、客観的にあきらかです。この中に、文言のおかしい電話があったと主張して、市長が自分の立場を守りたいだけの発言をしているようです。こんなことは、明々白々です。この下らない言い訳を見出しにとって、脅迫が相次いだというイメージを植えつけようとする朝日新聞はいったい何をやっているのでしょうか。おきている事象を正確にみず、トレースしない。正直、他紙の記者よりも、例えば、読売の記者よりも、朝日新聞の記者は現場で、ひらばで取材を密にする人は、元々、少ないです。これは、現場を知っている感覚では常識と思います。ある意味、エリート意識の中で、記事を出している人が多い。今回は市長側に心理的に近い記者が、発表丸呑みで出稿している感じでしょう。それを、さらにデスクが扇情的な見出しをつけて、住民や市民が声をあげることを押し止める役割を果たそうとしています。ひどすぎます。こうした人々の思いも理解しないし、放射性物質の危険もきちんと認識しない、なのに良心的な見せ掛けだけをごまかして続けようとする新聞は、保守側の新聞よりも、実は本質に悪質です。その病は深いです。

 「放射能防御プロジェクト」の土壌会見も朝日新聞は取材にも来ていません。TBSや読売新聞は取材し、ニュースにはしています。最低限の基本取材もできていません。自分たちの立場が本質的におかしくなるスタンスを、この放射能被曝問題について、取り続けている状況が、他紙よりも実は酷いということを、朝日新聞は、いい加減に気づくべきと僕は思います。

 

以下は朝日の記事の引用です。

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佐賀・武雄市、大震災がれきの受け入れ撤回 脅迫相次ぎ

東日本大震災で発生したがれきの処理について、佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長は1日、これまで表明していた受け入れ方針を撤回すると発表した。この日開会した12月定例市議会の冒頭、「電話などで市職員や市民への脅迫行為が続いているため」と撤回理由を説明した。

 がれきの受け入れについては、樋渡市長が11月28日、同市など3市4町でつくる広域市町村圏組合の首長会議(12月6日)に提案し、了承を得た上で、放射線量の独自基準を設けて受け入れる方針を示した。

 だが、受け入れ方針が報道されると県内外から電話やメールで約千件の意見が寄せられた。大半が批判や抗議で、「受け入れたらお前たちに苦しみを与える」「市や市民主催のイベントを妨害する」「武雄市産の物品の不買運動をする」などの脅迫もあったという。

 受け入れ方針の撤回を受けて、6日の広域市町村圏組合の首長会議は中止が決まった。樋渡市長は「市民や職員の安全や安心を考えたら、見過ごせないため断念した」としている。

 環境省の全国調査では、がれき処理の受け入れを決定済みか検討中の市町村や一部事務組合が54(11月2日現在)にとどまり、放射性物質への懸念などから4月時点と比べて10分の1に激減するなど、全国で撤回の動きが相次いでいる。

 佐賀県によると、環境省からの照会を受けて4月、がれきを受け入れ可能な自治体を調査。その結果、県内の4市1町が計1万2千トン分、一部事務組合2団体が1万1千トン、民間業者2社が2万トンのがれきを「受け入れ可能」と回答した。ただこの時点では「放射性物質が含まれている可能性があるがれき」という前提がなかった。

 10月に放射性物質を考慮した上で再調査を実施したが、結果について県循環型社会推進課は「国も個別の自治体を公表していないため、コメントは差し控える」としている。

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今月12日に、三重県松坂で講演会。さらに翌日は仙台でも開催予定になっています。仙台も詳細を後日アップします。

木下黄太講演会 in 松阪 「福島第一原発事故後の今
                   

日時 : 12月12日(月曜日) 18時30分開演

 

場所 : 松阪市カリヨンプラザ 3階 市民活動センター
          松阪駅から歩いて10~15分。駐車場(有料)もございます。

 

カンパ: 一人500円

 

※託児はご用意できませんが、お子様連れでのご参加もお待ちしております。

ご予約•お問い合わせ
「木下黄太講演会 in 松阪」実行委員会
veludo
usagi@yahoo.co.jp

人数把握のため、参加される方のお名前とお住まい(市町村名)、お子様連れの有無、当日の交通手段をお知らせください。
参加される方が会場のキャパシティを超えた場合は、会場を変更することも考えています。その場合は主催者よりご連絡差し上げます。
 
 

 

Yahoo!JAPAN

国も、東電も、専門家も、ウソをつきつづける日本。メルトスルーもホールボディカウンターも。

2011-12-01 02:59:11 | 福島第一原発と放射能

 福島県郡山市から、8月末に、三重県に避難している女性で、au携帯メールで僕に送信した方へ。返信ができません。設定を変えてください。もう一度メールしてください。

 毎日、毎日、あまりにも頭の悪いうそばかり見せつけられているので、本当に嫌になります。メルトスルーしているのは、当の昔に明らかですからその燃料はどうしようもなくなっていることは、これまた、明らかです。何センチでとどまっているかのごとく、ウソの言い訳を続けている東電や国は、頭がおかしい人達の集合体ですし、良心のかけらはまったくない連中ばかりです。本当に、腹が立ちます。反吐が出ます。はっきりしていることは、核燃料のほとんどは、格納容器外に出ていることです。国や東電の説明は、まだまだ、ウソばかりで、核燃料は、燃料そのものが、水から海中に溶け出しているだけでなく、かなり広範囲に空間にも飛散していると考えてよいと思います。恐らく、最低でも、柏近辺、東葛地域くらいまでは、核燃料そのものが、飛散していると僕はみています。この点については、公的機関が、プルトニウムを検出しているという情報もあります。

 恐らく、爆発事象がおきた号機では、ほとんどの核燃料が外部に出てしまっていると思いますし、この中身をきちんと確認していくことで、ウラニウムなどの核燃料そのものが飛散した範囲は、「直ちに」住めないことは確定していくと思います。福島が「直ちに」住めない場所であることは勿論、東葛地域も、そうした状況にあると思います。セシウムが大量にあるだけでなく、どうにもならない各種の放射性物質が、そのまま落ちている状態で大丈夫と考えることが、ありえない話です。こうした、放射性物質、核燃料そのものの飛散状況を政府が認めて、国民に明示しない限り、何にも始まりません。いったいいつまでウソをつき続けるのか。どれだけの人がこのウソのために傷ついていくのか、腹立たしい限りです。

 さらに、政府の頼みの綱だった、吉田所長の入院は、福島第一原発の処理スキームの崩壊の映し鏡です。彼が被曝症状かどうかともかく、原発事故対応に本質的に敗れたのが、明確化したことには変わりはありません。彼以外に対応できる人材はすぐみつからないでしょう。こういう状況で、僕は本質的な解に、今の日本政府が、このままの政治体制で到達する可能性はゼロだと思います。日本政府の政治体制の変革は必須です。

 福島に入った医療関係者が長崎大学のホールボディカウンターで検査し、最大で15ミリシーベルトなので、健康に影響はないという報道がされています。何度も言いますが、ホールボディカウンターは、全身で何ベクレルという単位で見るものです。体の内部にある放射性物質は、その計測の単位、ベクレルで表記すべきです。換算して、外部線量的なイメージのミリシーベルトに直すことで、本質を見えなくする発想です。そもそも、それがおかしい。このミリシーベルトだと相当な放射性物質があるはずです。これが全身で何ベクレルか出すべきです。そうしたことをごまかし続けて、体内にある放射性物質の問題をはっきりしめさない発表など、本質的な話ではありません。専門家がどこまでごまかすのかと思います。馬鹿か恥知らずです。ごまかすな。内部被曝は尋常な話ではありません。

 本当に腹が立ちますが、国も、東電も、専門家も、共犯関係です。おまえたちがうそを言い続けて、本質を国民から遠ざけて、それによって情報の格差が発生し、情報が取りきれなかった人のほうに多大な被害が出て行く構図です。こうしたことをおこなった人間が、だれがどういうことをしたのか、これは政治家も、官僚も、東電幹部も、専門家も、「戦犯」として裁かれる構図にしなければならないと僕は思います。戦争法廷と、本質的には同じことです。

 きょうから、年末、十二月になりました。こんな緊張感のある師走ははじめてです。