「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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本日、大阪市の記者クラブでカルディコット博士記者会見。大阪市会でガレキに関して継続審議。

2012-11-21 00:10:13 | 福島第一原発と放射能

 大阪市会の民生保健委員会で自民党の北野議員が提出した条例案が継続審議となり、議会が継続審議中は従来の市側の説明だと、試験焼却は直ちにできない話になります。きょうで大阪市会閉会という日程に、橋下市長が早めていたため、今度は、裏技的な展開となっています。ただし、大阪市側は、市会がこのようになった流れでも、この話は、行政裁量とのスタンスを示していて、予断は許しません。今まで通りの流れなら、早期に試験焼却は難しく、年を越しての攻防になります。これがどうなるのかは、橋下市長という人間が、従来のルールや言説を守らない可能性や、自分が意地になったことは、猪突猛進するタイプであることも大きく影響していると思います。

 彼は、放射能の被害可能性を極めて低く見積もっていることも間違いありませんし、これは、自分が率いている「維新」が今回の選挙で勝つために、特に東日本の集票の為に、「震災地域のことを考える橋下」というイメージが有利と判断していることが大きいと思います。さらに、政権の一角を担う可能性を考えているでしょうから、こうした場合に、シビアに放射能被害を見ない方が得策と判断している可能性も考えられます。いずれにしても、彼の中でブレーキが踏まれる要素は少ないです。

 ただし、建前上、「議会優先」を口にしていましたから、その建前にのっとれば、今回の試験焼却は、次の議会まで留め置きにするしかありません。そこの判断は、微妙なところかもしれません。ただし、試験焼却がいったん延期されても、また年明けに攻防は繰り広げられると思います。

 大阪市民は、橋下氏以下の「維新」の選挙にプラスになるのかどうかだけで、ガレキ焼却の行方が変わる状態です。ここまで、自己の欲望がむき出しの政治集団が、市民の健康上もマイナスで、経済的にも被災地にメリットの少ないことをやろうとする状態が、大阪の2012年の光景だという事は記憶しておくべきと思います。

この橋下市長と対峙をするためにも、ヘレン・カルディコット博士は来日されました。数週間にわたる折衝を続けましたが、衆議院解散前から、橋下市長は15分の面談も、避け続けたことも、もう一度皆さん記憶しておいてください。

彼女は、大阪で、メッセージを残すつもりです。被曝を避ける運動を続けてきたリーダーとして、医師として、母として。

ヘレン・カルディコット博士 大阪会見 

本日 13:30 大阪市の記者クラブで会見  ネット中継は予定されています。

 

彼女の著作『Nuclear Power is Not the Answer』より

 

RADIATION AND DISEASE 「放射線と病気」より---------------------------------

 

We are exposed to a background radiation dose of about 100 millirems per
year from the earth and the sun. It has been estimated that if one
hundred and twenty-five people receive 100 millirems per year for
seventy years, one of them will develop cancer. But the Nuclear
Regulatory Commission (NRC), which is responsible for the oversight
of the nuclear power industry, has decided that it is acceptable
for the public to receive an additional 100 millirems per year from
man-made radiation created through the generation of nuclear energy,
meaning two extra cancer patients will be created out of every
hundred people annually, adding together the one cancer from
background and one from “allowable” man-made radiation.

私たちは地球と太陽から、一年につき約100ミリレムの線量の、自然放射線を浴びます。
もし、125人が70年間、一年につき100ミリレムを受けると、そのうち1人が癌になると
推定されています。
しかし、原子力産業の監督責任を負う、米原子力規制委員会(NRC)は、
原子力エネルギーの生成を通して作られる人工放射線から、一般大衆がさらに、
一年に100ミリレムの人工放射線を受けることを、許容出来ると決定しました。
それは、自然放射線由来の癌と、「許容可能な」人工放射線由来の癌を合わせ、
毎年100人毎に、2人の癌患者が生み出されることを意味します。

The rules are even more lenient for nuclear workers, who are allowed
doses of 5 rems per year (5,000 millirems). One in five nuclear
workers are predicted to develop cancer if they received this “legally
allowable” dose over fifty years of exposure.

規則は原子力労働者についてはさらに緩く、一年につき5レム(=5,000ミリレム)の線量が
許可されています。
原子力労働者がこの「法的に許容可能な」線量の被ばくを、50年に渡り受けると、
5人に1人が癌になると予測されます。

Furthermore, when the nuclear industry calculates “acceptable”
radiation exposure for the public, they use a model of a
standard, healthy 70 kilogram man. But the population is far from
homogeneous. Old people, immuno-depressed patients, normal
children, and some with specific, inherited diseases are many
times more susceptible to the deleterious effects of radiation than
normal adults.

さらに、原子力産業が一般大衆の「許容可能な」放射線被ばくを算出する際、
彼らは標準的で健康な70キログラムの男性のモデルを使います。
しかし、人々は決して均一ではありません。
老人、免疫抑制患者、通常の子供、そして特定の遺伝病を抱える者は、
通常の成人より何倍も放射線の悪影響を受けやすいのです。

The incidence of cancer in adults is on the rise, particularly
cancers of the kidney, brain, and liver; non-Hodgkin’s lymphoma;
and testicular cancer. Children have experienced an elevated cancer
incidence as well, particularly of brain cancers, as we pollute the
environment with carcinogenic chemicals and radioactive elements.
Eighty thousand different chemicals are in common use,
very few of which have been tested for carcinogenicity. Chemicals
and radioactive elements tend to act synergistically in human and
animal bodies―one will potentiate the carcinogenic effect of the other.

成人の癌の罹病率は上昇しています。特に腎癌、 脳癌、肝癌、非ホジキンスリンパ腫、
そして精巣癌です。
我々が発癌性化学物質と放射性元素で環境を汚染するに従い、子供たちも同様に、
高い癌の罹病率(特に脳癌)に見舞われています。
8万の色々な化学物質が広く使われていますが、
その中で発癌性について検査をされたものはごくわずかです。
化学物質と放射性元素は、人間と動物の身体において、
相乗的に作用する傾向があります。――一方が、他方の発癌効果を高めます。

Of the man-made category, medical X-rays and nuclear medicine (short-lived
radioactive elements used in diagnostic examinations and for the treatment
of some cancers) account for about 79%, whereas radioactive elements
in consumer products such as tobacco, tap water, and nuclear power currently
account for 5%.

人工のカテゴリのうち、医学X線と核医学(診断検査と、ある種の癌治療に使われる、
半減期の短い放射性元素)は、およそ79%を占めます。一方、タバコ、水道水、
原子力といった、消費者製品中の放射性元素は、現在5%を占めます。

But this is now. As the huge quantities of radioactive waste accumulating from
nuclear power and from nuclear weapons production start leaking and
contaminating drinking water and food chains in many parts of the world, so
the percentage of radiation exposure from these sources will rise.

しかし、これは現在そうだということです。
原子力発電と核兵器製造で蓄積する、膨大な量の放射性廃棄物が漏れ始め、
世界の多くの地域で、それらが飲料水と食物連鎖を汚染し出すに従い、
これらの源からの、放射線被ばくの比率は上がるでしょう。

In summary, the 18% human exposure attributable to manmade
radiation will increase, because radioactive waste remains
potent for hundreds and thousands of years. So by turning on our
lights today, we bequeath our descendants a radioactive legacy for
tomorrow.

要するに、放射性廃棄物は何百何千年もの間、強力なままであるため、
人工放射線に起因する18%の人間の被ばくは増加します。
よって、今日明かりをつけることで、我々は子孫に将来、放射能の遺物を遺します。

 

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ヘレン・カルディコット博士の医師&専門家向けセミナー

 

残席は極めて少ない。お急ぎください。 
11/25(日)京都医師&専門家向けセミナー 9時半から15時半(受付9時より)
京都府中小企業会館   京都市右京区西院東中水町17番地(西大路五条下ル東側)

京都のセミナーの受け付けはhttp://www.frcsrus.org/japan「みんなのカルテ」(主催)でご確認下さい。医療関係者優先ではありますが、意識のある一般の方の参加は歓迎いたします。

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ヘレン・カルディコット博士 一般講演 徳島・岡山・京都

⇒京都講演は受付終了。岡山は満席、当日立見のみ。

受付方法など詳細→ http://www.frcsrus.org/japan「みんなのカルテ」(主催)でご参照ください。

注意*参加会場によってお申込み方法が異なります。*定員になり次第、受付終了となります。*ご利用にならないお席を予備で確保されるのは他のお客様の御迷惑となりますので、ご遠慮ください。*お振込みの際の手数料はご負担ください。*申し込みの名前・住所と、送金の際の名前・住所が違っていて、事務局からメールしても電話しても連絡がとれない方が数名いらっしゃいます。振込から1週間経過しても入金確認のメールが届かない場合、各々の事務局までお問い合わせください。*携帯メールでメールの受け取り設定をご確認ください。返信メールが届かない場合があります。

11/23(金・祝)徳島一般講演⇒空席あります。 

日時:11月23日(金・祝) 開場:18:00  開演:18:30 終了予定:20:30
会場: あわぎんホール(郷土文化会館)4F大会議室 徳島市藍場町2丁目14番地

 平惣各店、小山助学館徳島駅前店などでも前売りチケット販売中

 新たに、徳島大学生協でも前売りチケット販売開始。

11/24(土)岡山一般講演⇒満席。当日の受付は立見のみ。 

日時:11月24日(土) 開場:13:30  開演:14:00 終了予定:16:00
会場:岡山市勤労者福祉センター (体育集会室)   岡山市北区春日町5-6 

座席が満席のため、前売り券の受付を終了いたしました。

若干数の当日券を用意いたしますが、基本は立ち見でのご案内となります。

11/25(日)京都一般講演⇒受付終了。当日もなし。

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