俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

2010-03-23 15:52:49 | Weblog
 金持ちから金を奪って貧しい人に分け与えるだけなら、義賊でない普通の泥棒にでもできることだ。無駄な公共事業は窃盗団のようなものだ。こんな下らないことをやって高額の報酬を得ているのなら政治家も官僚も要らない。
 「公」の役割は消防署の例を考えると分かり易い。消防というシステムを考案したのはフランクリン、あの雷が電気であることを証明したアメリカ人だ。
 火事が起こったら多くの人が迷惑を蒙る。火元の近くの人は避難して家財道具を持ち出すので精一杯で、消火活動に取り組むことは不可能だ。その結果延焼が避けられない。
 近所の人が消火をするのではなく、あらかじめ資金を募って専門の組織を作っておけば大勢の人が低コストで火災を免れることができる。こういう合理性に基づいて消防署というシステムは世界中に広がった。
 警察も同様だ。各家庭が警備員を雇うことと比べたら自治体で一括してそんな組織を作ったほうがずっと低コストだし安全性も高い。
 本来の「公」は合理的で経済的なシステムだ。ところが肥大するとどんどん駄目になる。放っておくと「公」は勝手に肥大して、自己増殖のために国民から搾取するシステムに化けてしまう。

子供手当て

2010-03-23 15:40:53 | Weblog
 子供手当てはポピュリズム(人気取り政策)だ。別にそれが悪い訳ではない。どうせ手当てや福祉はポピュリズムなのだから。それをどう評価するかは①それが持続可能かどうか②費用対効果がどうか、ということに尽きる。
 ①については日本が今後どうなるか分からないのでここでは②についてのみ考える。
 子供手当てと年金を比較した場合、子供手当てのほうが明らかに収益性が高い。と言うのは年金は国にとっては出費でしかない。この出費を受益者(老人)に負担させることは不可能なので、より若い世代に負担させざるを得ず、若い世代は不満を持つ。
 一方、子供手当ては回収できるから投資のようなものだ。子供に支給した額以上を将来増税すれば採算が合う。子供の頃に(親が)受け取った手当ての分余計に払えという理屈はそれなりに筋が通っている。しかしこれでは朝三暮四のようなものだ。猿より賢い人なら騙されまい。
 もし弱者支援という視点に立つなら、孤児や重病者がないがしろにされるのは不合理だ。所詮ポピュリズムだから票に繋がらない層に対する支援は必要無いということだろうか。

ヴァーチャル議員

2010-03-23 15:26:40 | Weblog
 参議院比例区に「議員」は必要だろうか。誤解しないで欲しい、私は比例区が不必要だと言いたい訳ではない。比例区の「議席」は必要だが「議員」は必要無いと言いたいのだ。
 株主総会では委任という仕組みが認められている。これは委任された人が株主の権利を代行できるという仕組みだ。百万株分の委任状を持つ人は百万株の株主として発言し権利を行使できる。
 これと同じ仕組みを比例区に導入すれば政治における無駄遣いを大幅に削減できる。
 選挙区で選ばれた人とは違い、比例区では個人が選ばれる訳ではない。党への投票数に基づいて「議席数」が配分されるだけだ。そんな「議席」に「議員」を貼り付けて年間一人当たり4,000万円も支給する必要は全く無い。
 クロスヴォーティングなど滅多に無いのだから、100%党の方針に従うヴァーチャル議員制を採用すれば、比例区の議員96人分の38.4億円が毎年不要になる。
 客寄せパンダや頭数合わせの立候補者など全く必要無くなるから選挙費用も手間も削減できる。各党に「議席数」さえ割り当てればそれで充分だ。参議院での採決時には各党の投票数にこの「議席数」を加えれば良い。こんな簡単にできる改革を阻害するのは議員エゴ以外には無い。