俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

100万円

2010-03-26 15:46:31 | Weblog
 もし100万円貰うなら人はどう反応するだろう。年収300万円の人なら大喜びする。しかし年収1億円の人なら「今夜の飲み代にでも使おうか」と思うだろう。
 金を配布するなら貧しい人を優先すべきだ。金持ちにはした金を渡しても喜ばれないが貧しい人なら喜ぶ。定額給付金という史上稀に見る愚策に対する反省から学ぶべきだろう。
 徴収する場合はどうだろう。貧しい人から100万円を取ろうとすれば必死で抵抗するし借金でもしなければとても払えない。金持ちなら嫌がりはするが諦めて支払うだろう。実際、税金は金持ちから多く徴収する累進性になっている。支給するなら貧しい人に、徴収するなら金銭的に余裕のある金持ちから、これが鉄則だろう。
 子供手当てを無差別に配るのは税金の無駄遣いでしかない。貧しい独身労働者から徴収した金を、子供がいるからというだけの理由で金持ちに支給するのは気違い沙汰としか思えない。税の痛みを知らない人の発想だ。
 支給基準の設定が難しいのなら、一旦給付して、高額所得者からは同額を税として徴収すれば済むことだ。大して手間は掛からない。
 勿論、初めから支払わないほうがずっと合理的だ。基準が難しいと言うのは仕事をしたがらない公務員のお得意の詭弁であり責任逃れであろう。

北朝鮮と韓国

2010-03-26 15:34:54 | Weblog
 韓国はタテマエ上「祖国の統一」を主張せざるを得ない。しかしホンネはどうだろうか。もし北朝鮮が崩壊して、技術も技能も常識も欠いた人々が大量に雪崩れ込んだら韓国は大混乱に陥るだろう。
 かつてベルリンの壁が崩壊した時、世界は喝采したが、同胞を受け入れる側になった西ドイツはワークシェアリングの拡大などで対応せざるを得なかった。その結果ドイツとしてのGDPは拡大したが一人当たりのGDPは大幅に減った。旧西ドイツ人は統一前よりも貧しくなった。
 韓国はGDPでは世界で15位のアジアの優等生だ。一方、北朝鮮はアジア最貧国の1つだ。この2国が統合した時の混乱はドイツの比ではなかろう。
 北の同胞の解放は南の悲願ではあろうが、治安の悪化や貧困化は望むことではなかろう。従って仮に北朝鮮が崩壊してもいきなり国境を開放することはせず、時間を掛けて徐々に同化することを図らざるを得ないのではないだろうか。

全体最適

2010-03-26 15:21:26 | Weblog
 殆んどの人は地球の人口は多過ぎると思っている。多過ぎるから食料と水やエネルギーの問題が解決できない。
 地球にとっては人口減が望ましいと思いながら、国内では人口を増やそうとするのは馬鹿げた話だ。日本人1人は途上国の10人分くらいの食料やエネルギーを使っているのだから、先進国こそ率先して人口減に取り組むべきだろう。世界が、人口が少なくて豊かな国と人口が多くて貧しい国に二分化されれば、途上国における人口爆発も少しは抑制されるだろう。
 全体最適という理念はいつもないがしろにされてローカリズムが勝つ。総論賛成・各論反対どころか総論無視という状態が続いている。国内では省益や党益ばかりが優先されて国益(国民益)は軽視される。
 私は決して全体主義者ではない。どちらかと言えば個人主義者だ。但し常に全体を見渡そうとする個人主義者だ。全体を見ない個人主義も個人を見ない全体主義も誤った考えだ。木を見て森を見ないのも森を見て木を見ないのも誤りだ。
 全体と部分が対立するなら部分を優先することもやむを得ない。しかし全体を見ずに部分にばかり注目するのは知的レベルの低下か幼児化としか思えない。