俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ヴェジタリアン

2010-04-09 15:55:03 | Weblog
 日本人は大半がヴェジタリアンだ。但し当の本人はそんな意識は無い。私自身全然ヴェジタリアンだとは思っていなかった。タイのフードコートで「あなたはヴェジタリアンか」と聞かれて初めて気がついた。野菜の煮物や炒め物ばかり選んでいたからだ。
 日本人はホテルの朝食バイキング(正しくは「ビュッフェ」)でうんざりする。肉、ハム、ソーセージ、ベーコン、卵など動物性蛋白質のオンパレードだからだ。しかしこれがグローバルスタンダードなのだ。西洋人は余り野菜を食べない。ビュッフェの料理を偏っていると感じるのは隠れヴェジタリアンである証拠だ。
 私はビュッフェでも野菜を多く採る。レタスやトマトなどの生野菜はたっぷり食べるし、八宝菜らしきものがあればそれがメインディッシュになる。どう見てもヴェジタリアンだ。
 日本人が野菜好きなのは長年、肉食をしなかったせいだろう。日本人にとっての動物性蛋白質は魚介類と鳥だけだった。野菜と魚介類に偏っていたから野菜の料理が発達し、同時に野菜の旨みに敏感になったのだろう。
 野菜好きは健康のために良いことだ。しかも宗教的戒律によって肉食を禁じられている訳ではなく、自らの意思(嗜好)で野菜を選んでいるのだから精神衛生上でも好ましいことだ。

死刑囚

2010-04-09 15:39:51 | Weblog
 4月5日に死刑に関する2つの興味深い報道があった。国内では名張の毒ブドウ酒事件の死刑判決が差し戻しになり、中国では日本人に対する死刑が執行された。なお今日(9日)は3人の日本人が処刑された。
 1972年に死刑判決が確定した死刑囚が生きていたことも驚きだが、もしこれが冤罪だったら一体どうなるのだろう。但し残念ながらこの事件はグレーのままで終わるのではないだろうか。結審するまでに84歳の奥西氏が亡くなってしまう可能性はかなり高い。
 イギリスで死刑が廃止されたのは決して人道的な理由ではなかったらしい。公務員を大切にする労働党政権の元で、かの有名なスコットランドヤードまでがお役所体質に染まり捜査力を大きく低下させた。いい加減な捜査で死刑にして、あとから真犯人が現れたら取り返しがつかないことになる。こんな事情で死刑が廃止されたらしい。冤罪の可能性が1%でもあれば死刑は執行すべきではないだろう。
 中国での死刑は酷い。通訳のレベルが低くて充分な釈明をできなかったそうだ。中国人を殺したのならともかく、麻薬を日本に密輸しようとしたのだから日本で裁いても良いような気もする。
 一方、日本での外国人犯罪者は死刑囚以外は強制送還して母国で刑に服してもらったほうが良いように私には思える。日本では服役囚一人当たり年間約270万円掛かっており、その財源は国民が納める税金なのだから。

模擬面接

2010-04-09 15:26:07 | Weblog
 就職難の中、模擬面接に励む大学生が多いらしい。模擬面接を通じて完璧な応答を習得するつもりなのだろうが、これには大きな危険がある。幼稚園や小学校ならともかく、当たり障りの無い無難な答えなど企業の面接官は求めていないからだ。
 面接ではないが小論文に関しては有名な話がある。朝日新聞が入社試験で「ペンは剣より強し」について書けという問題を出した。採点者はうんざりしたそうだ。どの論文も判で押したようにペンの強さを力説するものばかりで、採点者は「ペンの弱さについて書いていたらそれだけで満点を与えたい」と思ったそうだ。
 試験とは違って面接には正解は無い。敢えて正解の無い質問をすることで被面接者の個性や人間性を探ろうとしている。ここで当たり障りの無い無難な答えをすればそれは多分、他の多くの被面接者と同じような答えになるだろう。面接官は「またか」と思ってうんざりするだろう。
 模擬面接をすることが無駄だとは言わない。私も職場での上司として部下に対して模擬面談を行った。しかしその目的は「何と答えるか」ではなく「どう答えるか」だった。
 マニュアル志向の強い最近の大学生は安易に「正解」を求め、その結果として自ら墓穴を掘ってしまいそうに思える。