俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

デフレ

2010-06-15 16:16:04 | Weblog
 デフレが続いていると言われている。
 しかしデフレとは本来の価格よりも安くなければ売れない状態、つまり不採算価格でしか売れない状態と考えるべきだろう。もしそれまでの価格がボッタクリだったのなら、物価の下落は正常な状態へと向かっているということになり健全なことだ。
 昔の日本の物価は高かった。だから1964年に海外旅行が自由化された時、多くの旅行者は山ほど土産物を買って帰った。1ドル360円という、今から考えたら超円安の時代だったにも関わらずそれでも海外の物価のほうが安かった=日本の物価が高かったからだ。
 なぜ日本の物価は高かったのか。流通マージンが高かったせいだ。問屋と小売店がグルになって小売価格をつり上げていたせいだ。そのため1日数千円しか売れない小売店でも生き残れた。
 海外旅行が自由化されれば内外の価格差が嫌でも目に付く。こうして国内の価格は徐々に是正された。しかし印鑑のように海外には無い商品は今でも高止まりしたままだ。
 なぜ物価の是正に何十年も掛かったのか。国による規制のせいだ。通産省は百貨店法や大規模小売店舗法を作って零細小売業者の保護を図った。そのために小売業の近代化は大きく遅れた。しかしその保護策も空しく、今や商店街はシャッター街と化してしまった。
 無理な保護政策は零細業者を延命させるが、自らの自助努力を怠るならいずれ破綻する。延命策に頼らずに努力した企業はユニクロや家電量販店のように、規制されたデパートやスーパーを凌ぐほどに力を付けた。
 同じようなことが農業でも起こりつつあるように思える。無理な保護政策は無駄な事業の延命にしかならない。

強い財政・経済・社会保障

2010-06-15 15:59:51 | Weblog
 菅首相は11日の所信表明演説で「強い財政・経済・社会保障」を主張した。冷ややかに見る人も多いが私は可能だと考えている。但し国が自ら取り組むのではなく民間の力をうまく利用するということが大前提だ。
 こんなビジネスを考えた。「65歳以上の一人暮らし専用の都心での医療施設付き高級マンション」
 都心にこだわるのは、それが便利だからだ。都心で駅前の防災・防犯性の高いマンションに住めば老人の行動範囲は飛躍的に拡大し、安全性も高まる。
 一人暮らしの老人は大きな不安を抱えている。老人が分散しているからだ。バラバラになった老人を集結させてコミュニティを作れば老人に生きがいが生まれるだろう。
 集結させるメリットは他にもある。医療・介護施設を併設できるからだ。この医療・介護施設をマンション専属ではなく外にも開かれた施設にすることによって地域医療にも貢献できる。
 勿論このマンションを利用できるのは一部の裕福な老人だけに限られる。それでも一部の老人であろうと幸せな老後を送れるなら、現役世代の安心にも繋がる。
 社会保障を国が充実させようとすると現役世代の負担ばかりが増える。厚遇を広く享受できるようにし過ぎるからだ。国は政策で支援するだけに留まって、施設も運営も民間に任せれば、税金を使わずに社会保障を充実させることができる。
 こんなやり方をすれば設備投資も雇用も消費も税収も生まれるから財政・経済にとってもプラスになる。

男らしさ

2010-06-15 15:45:45 | Weblog
 2人の人間がいて荷物を運ぶ場合、体が大きくて力のある方が多くを持つべきだ。肉体能力の差を無視して同じ重さを持たせるのは悪平等だ。
 力の強い者が多くを持つことは公平なことだ。力の強さを無視して平等に持たせることは不公平なことだ。
 大人と子供の場合、あるいは男と女の場合、荷物の量はその体力を考慮して分担される。これを無視するのは悪平等であり不公平なことだ。
 平均的に男のほうが女よりも体が大きく力も強い。だから荷物は男が多く持つべきだ。このことが男らしさの起源だ。植物的体力はともかく、動物的体力において勝っている男は多くの荷物を持たねばならない。
 また生殖において、一瞬で役割が終わる男は価値が低い。10ヶ月掛けて子供を産む女は価値が高い。従って男は使い捨ての駒のようなものだ。危険な業務は生殖において価値の低い男が担わねばならない。
 こういった不利を受け入れることが男らしさだ。男らしさとは女尊男卑に基づく。
 但し男らしさとは男にとって「自分らしさ」を発揮する場でもある。女と比較した場合の自分の長所を発揮することは個性の発揮でもあり得る。男らしさとは男女双方にメリットを与える便利な概念だ。