俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

医療と科学

2010-10-08 16:28:02 | Weblog
 医療は科学と呼べるレベルに達していない。俗説やデマ、果てはオカルト的なものまで罷り通っている。
 なぜ医療が科学になり得ないのか。最大の原因は実験ができないことだ。
 科学が科学たり得るのは実験の再現性に基づく。同じ実験をすれば必ず同じ結果が出るので、それが事実であることを誰もが承認できる。
 科学の弱点は複雑なものや一回限りのものには無力であることだ。例えば球体の反発方向なら予測できるが、ラグビーのボールの反発方向は予測不可能だ。この程度の複雑さにさえ科学は耐えることができない。
 人体は複雑そのものであり部分に分解することはできない。機械の部品のように部分を取り替えられるなら色々と実験できようがそれは不可能だ。
 また人体は個々の人が余りにも異なる。80歳と30歳と1歳では全然別のメカニズムが働いており、共通に有効でしかも安全な薬などあり得ない。薬の適量を見極めるためには膨大な人体実験が必要な筈だが、人体実験は倫理的に認められていない。そのため十年一昔にも関わらず旧態依然の方法が続けられている。医師は自分の乏しい経験と勘に基づいて治療するしか無い訳だから医療が進歩しないのは無理も無いことだ。
 患者としては医師を過信しないことが必要だ。特に、毒でもある薬を大量に処方する医師には要注意だ。

法人税減税

2010-10-08 16:14:53 | Weblog
 法人税減税は決して大企業優遇策ではない。巡り巡って労働者支援策となる。
 法人税が減税されれば企業は設備投資や人材投資に使う金を増やせる。設備投資は将来の雇用を生み、人材投資は現在の雇用条件の改善に繋がる。
 法人税減税を非難する人は、搾取する資本家と搾取される労働者という古い図式を今でも信じている時代錯誤の人だろう。もしそんな構造なら法人税減税は資本家の利益の拡大にしかならない。しかし今時そんな時代遅れの企業は殆ど無い。
 法人税が減税されれば海外法人を作る必要性が減る。つまり国内ビジネスが拡大する。国内ビジネスが拡大すれば国内での雇用が増え労働条件も良くなる。 
 古惚けた経済観を持つ人は賃上げが労働者の権利だと考える。しかしその財源をどこに求めるのだろうか。根拠の無い賃上げは設備投資の削減、すなわち企業の成長の芽を摘む。法人税減税は現在と将来の雇用の発展と安定のための最善の策だ。
 国を繁栄させるのは民間企業であって国営事業ではない。無駄だらけの国営事業など少ないほど良い。法人税の減税による減収で国営事業による無駄遣いが減るのならそれはむしろ望ましいことだろう。

犯罪者

2010-10-08 15:50:51 | Weblog
 人はなぜ罪を犯すのだろうか。無数の理由が考えられる。①衝動的に②悪いことと思っていない③罪を犯したほうが得④罪を犯さなければ自分達が危ない⑤過失⑥他者による強制⑦成り行き⑧その他諸々(いずれ真面目に整理したいと思う)
 今回のテーマは③の罪を犯したほうが得、ということだ。
 飲酒運転が厳罰化されてから飲酒運転事故が激減したことは広く知られている。重い罰があれば人はその罪を回避する。もしある犯罪が頻発し、しかも組織的に行われているなら、それは罰が軽過ぎることが大きな原因と言えるだろう。
 企業による脱税はその典型例だ。どうせバレないし、バレても追徴課税分を含めて払えば済むことだから、数学的に期待値を計算すれば脱税を図ったほうが得だということがすぐに分かる。
 10月4日付けの読売新聞によると(どういう訳か朝日新聞ではこの情報は見つからなかった)赤字申告をした企業49,000社を調査したところその1/7に当たる7,000社が実は黒字で、その追徴課税額は約400億円だったそうだ。
 昨年6月までの1年間に法人税を申告した企業は約280万社で、黒字申告が約3割の80万社、赤字申告が約7割の200万社とのことだから、荒っぽく計算すれば法人税を申告した企業の約1割が脱税をしていたということになる(70%×1/7)。
 勿論、黒字申告をした企業が脱税していたという可能性もあるし、首尾良くあるいは運良く税務調査で脱税が発覚しなかった企業もあるだろうから実際の脱税率はもっと高いだろう。
 こんな脱税天国を改めるためには厳罰化しか無い。悪質な脱税企業に対しては資産を没収したり加担者を刑事犯罪者として罰すれば、怖くて誰も脱税などできなくなるだろう。また内部通報者(悪く言えばタレコミ)も増えるだろう。
 脱税を厳罰化すれば、法人税減税による減収を少なからず埋め合わせすることも可能なのではないだろうか。