俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

授業料

2010-10-22 15:23:40 | Weblog
 私が学生の頃の国立大学の授業料は1,000円/月だった。県立高校の授業料が3,000円/月だったからとてつもなく安いと思った。実際、安かった。大学生という身分があれば多くのものに学割が適応される。通学定期の割引だけで充分に元が取れた。
 1日で10,000円近く稼げるアルバイトも沢山あった。友人の多くは塾の講師で稼いでいたが、私は旅館の雑用でそれぐらいを稼いでいた。下足番から始まって料理運びや布団敷きや掃除、時には通訳までやっていた。サラリーマンになっての初任給が10万円だったことを考えれば、昔の大学生は恵まれていたと思う。
 今の旧国立大学(独立行政法人)の授業料は高過ぎる。44,650円/月だ。何と私の頃の44.65倍だ。この40年間でこんなに値上がりしたものは他に無かろう。これでは金持ちの子供しか大学へ行けない。
 高校の授業料が無料化されているのに大学は馬鹿高い。貧乏人は大学へ行くなということだろうか。もしそうでないなら乱立した怪しげな私立大学への補助金をやめてでも公立大学の授業料の大幅値下げを図るべきだろう。
 自立できない民間企業が無意味であるように、自立できない私立大学など見捨てるべきだ。そんな無駄遣いをやめるだけで、少しは公立大学の授業料を値下げできるだろう。高校はタダで大学は44,650円/月という授業料は絶対におかしい。なぜマスコミはこの矛盾を殆ど報じないのだろうか?

反面教師

2010-10-22 15:08:44 | Weblog
 「三人行けば必ず我が師あり」
 孔子の「論語」での言葉だが余りにも謙虚過ぎると思えて好きな言葉ではなかった。しかし最近この言葉の次に書かれた句を知って評価を改めた。
 「その善なる者を択びてこれに従い、その不善なる者にしてこれを改む」
 つまり「師」とは反面教師も含めているのだ。尊敬できる人に巡り会うことは難しい。それは僥倖とも言えるほど稀なことだ。一方、軽蔑したくなる人には嫌になるほどよく出会う。この嫌な出会いを悲しむ必要は無い。孔子のように反面教師として我が身を律すれば良い。
 「人は他人を浄めることはできない」(ブッダ「ダンマパダ」)が人のふりを見て我がふりを直すことならできる。他人の徳を高めることは難しいが自分の徳を磨くことならできる。
 偉そうに人を指導しようとするよりは自分磨きに励みたい。但しその方法は主に書籍から学ぼうと思っている。孔子の時代には殆ど存在しなかった古今東西の本が、今では簡単に手に入る。この優位性を生かさない手は無い。
 コミュニケーションは双方向性という特長を持っている。会話を通じて両者が高まることが可能だ。それでもやはり世界最高の頭脳から学べる読書の魅力には敵わない。

美と健康

2010-10-22 14:53:24 | Weblog
 先日、久しぶりに山口百恵さんをテレビで見た。勿論、現役時代の映像だ。その時に思ったのは、なぜこの人が一世を風靡するほどのアイドルだったのか、という疑問だった。
 目と目の間が広い。所謂ヒラメ顔だ。やや三白眼で目付きも悪い。頭が大きくプロポーションも余り良くない。今ならAKB48のオーディションで合格することさえ難しいかも知れないと思った。
 現役時代を知っている私でさえそう感じるのだから新世代にとっての山口百恵さんは過去の古臭い芸能人でしか無いだろう。しかし今の芸能人よりは健康そうに見えた。
 美の基準は時間軸・空間軸によって変動する。もしクレオパトラや楊貴妃が現代に蘇っても美女と評価されるかどうか疑わしい。美女がそんな曖昧な評価でしかないのなら美は健康と一致することが最も望ましい。
 時空間だけではなく男女間でも女性美の評価は異なる。男性はグラビアアイドルが好みで、女性はファッション誌のモデルが好きだ。明らかに女性は男性以上に細さに価値を認めている。
 BMI(体重÷身長÷身長)の数値が18.5未満の人はBMI30以上の肥満体の人よりも死亡率が高いそうだ。痩身はヘルシーどころか虚弱体だ。健康体を美しいと感じるように女性の美意識が変われば日本人女性はもっと元気で長寿になれるだろう。