俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

家計

2010-10-19 15:46:00 | Weblog
 国税庁の調査によると民間企業従業員の昨年の平均給与は406万円で前年より237,000円、率にして5.5%減ったそうだ。月平均では約2万円減ったことになる。
 勿論、各個人の給与が一律5.5%減った訳ではない。比較的給料の高い高齢者が定年退職したから平均給与が下がったという事情もあるだろう。
 しかし定年退職者の家庭は大変だ。定年退職しても60~64歳までは厚生年金しか収入が無く、基礎年金が支給されるには65歳まで待たねばならない。その間、退職金を食い潰す生活を余儀無くされる。定年退職した人の家庭ではライフスタイルの大幅な変更が必要だ。
 実態とは一致しないが、少し荒っぽく、家庭の収入が5.5%減った場合を想定してみよう。支出は一律5.5%減らせられる訳ではない。ローンや家賃などは固定費であり減らすことはできない。水道光熱費は変動費だが既にかなり節約されているので削減の余地は少なかろう。結局、減らせるのは食費、被服費、通信費、教育費、娯楽遊興費などであり、これらを30%以上減らさないことには家計費の5.5%削減は達成できない。
 と言うことは、これらの市場は家計収入減以上に縮小することになる。これらを扱う企業は深刻な不景気に苦しめられることになるだろう。
 食費を30%削減しようとした場合、量と質の2つの要素に注目する必要がある。量を30%削減するのは難しいので、質を25%量を5%減らすような方法が現実的だ。もやし、卵、米などの使用を増やして肉や生菓子などを減らすならそれは可能だ。しかし寂しい食生活になり、畜産農家や生菓子業界は大打撃を受けることになるだろう。

デモ

2010-10-19 15:29:43 | Weblog
 言論統制が行われ、国を批判すれば国家反逆罪とされる国でなぜデモが認められるのだろうか。デモは本来、反体制活動でありデモが認められることはあり得ない筈だ。
 しかし現実として中国ではデモが行われている。反日デモであったり反仏デモであったり、多くは外国に抗議するデモだ。これらは官製デモであるとしか考えられない。国の方針に逆らうことは許されないのだから、国の方針に基づいてデモが行われている。変な話だ。
 国の方針に基づいたデモにどんな意味があるのだろうか。海外諸国に対するアピールでしかない。言論統制の無い国でのデモは民意の表れだ。民衆が自分達の意思を表明するためにデモを行う。一方、言論統制のある国では国の方針に基づいてデモが行われる。この二者は全く異質なものだ。
 中国で反日デモが行われたからといって中国人民が反日感情を高めていると考えるのは間違いだ。ただ単に中国政府が反日感情を煽っていると解釈すべきだろう。
 例外は国内での権力闘争に基づくデモだろう。中央権力から排斥された地方の権力者が自らの力を誇示するために、中央政府が嫌がりかつ国家反逆罪にできないスローガンを掲げてデモをさせる。こちらは地方官製デモだ。これは地方の権力者が力を中央に誇示するための内政活動に過ぎない。どちらにせよ中国でのデモは民意とは関係無く行われる。言論統制の無い国でのデモと同等に考えるべきではない。

綱領

2010-10-19 15:15:11 | Weblog
 組織は何らかの目的を持つ。同じ目的を持った人が集まって組織が形成され、その目的は綱領として明文化される。
 ところが綱領の無い政党という訳の分からないものが存在することを最近知った。民主党には綱領が無いそうだ。
 綱領の無い政治集団?・・・・そんなものはあり得ない筈だ。政党とは共通する政治的目標を持った人の集まりであり、綱領の無い政党とは烏合の衆に過ぎない。
 民主党の政策がブレる根本原因はここにある。政党としての理念が無いのだから、政策はその場凌ぎのポピュリズムでしかあり得ない。
 民主党は旧民主党と小沢グループの自由党が合併した党だ。そのため民主党は自民党崩れや民社党、社会党その他諸々の残党の寄り合い所帯だ。自民党には反共産主義という理念があるが、民主党の政治家の共通点は「自民党政権に反対」ということでしかない。だから綱領を作れないのだろう。綱領の無い政党には理念が無いのだから、問題が発生しても場当たり的な対応しかできない。
 綱領が作れないほど政治的理念が違うのなら、いっそのこと民主党と自由党に分かれて、それぞれが綱領を作ったうえで改めて連立政権という形を取ったらどうだろうか。たとえ個々の政治家を信じることが可能であっても烏合の衆(理念の無い集団)を信じることは不可能だ。