俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

7つの子

2010-11-12 13:17:34 | Weblog
 「カラスなぜ鳴くの」「カラスの勝手でしょ」ではない。「カラスは山に可愛い7つの子があるからよ」だった。小学校の低学年だった私は「7つの子」を「7歳の子」と解釈した。しかし人間ならともかく7歳のカラスが子供である筈が無い。
 他にも気になった。「可愛い7つの子があるからよ」は変だ。「可愛い7羽の子がいるからよ」が正しいのではないだろうかと思った。現代では動物に「ある」は使わない。せいぜい植物までだ。教科書に載っている歌なのだから昔なら正しい用法だったのだろうか。
 もしかしたら文語を口語に変えた時に変な歌詞になったのかも知れないと思った。こんな例がある。「春の小川はさらさら行くよ。」なぜ小川が「行く」のだろうか。「春の小川」の元々の歌詞は「春の小川はさらさら流る。」だったそうだ。
 しかし「7つの子」の場合はそうではなかった。作詞者・野口雨情氏の故郷にはこの歌の石碑がありこのとおりの歌詞が刻まれている。
 結局、日本語が変わったということだ。最近では「微妙」とか「普通」とか「やばい」とかいった言葉が随分違った意味で使われている。更には比較的新しい言葉である「キモい(気持ち悪い)」が「肝い(肝心だ)」という意味でも使われているそうだ。
 言葉は変化するものだが変化し過ぎると訳が分からなくなる。

関税

2010-11-12 13:01:36 | Weblog
 関税という制度は必要だろうか。発展途上国には必要だろう。先進国から国際価格の商品が雪崩れ込んだら途上国の産業は壊滅してしまうからだ。しかし先進国では事情が違う。国際競争力があるから先進国と言えるのであって保護貿易に頼るようでは先進国の名に値しない。
 明治維新の開国以来150年近いし、敗戦による第二の開国からでも65年経った。まだ関税によって国内産業を保護せねばならない途上国状態なのはなぜだろう。
 当たり前の話だが国内流通に関税は無い。宮崎県が県産品を守るために北海道産品に関税を掛けるような馬鹿な仕組みは無い。国内流通では当たり前の無関税がなぜ国際取引ではできないのだろうか。EU圏内では無関税にすることによって産業の住み分けが実現されて高品質の商品が低価格で流通している。
 関税によって利権を得ているのは誰か。実は農林水産省だろう。農水省は農業の保護という隠れ蓑を使って省益および天下り団体の利益を守るために嘘の情報をバラ撒き続けている。
 米、麦、バター、豚肉などにおける奇怪なルールは国民や農民のためではなく、農水省および天下り団体の利権を守るために定められているとしか思えない。明らかに国益(国民益)に反することを農水省はやっている。彼らがこれまでに積み重ねた悪政・失政・愚政を糊塗すると共に省益を維持するために躍起になっているだけのことだ。彼らの主張は眉唾物だ。騙されてはならない。

未流出映像

2010-11-12 12:44:33 | Weblog
 尖閣諸島沖での衝突事件の映像を流出させた海上保安官に対する事情聴取が今日も続いている。
 この流出が犯罪かどうかは意見が分かれる。政府は非公開を命じ、野党や多くの国民が公開を主張する中での流出だからだ。権力者にとって都合の悪い事実を公開することは言論・出版の自由の行使とも考えられる。情報漏洩ではなく内部告発だと考えることも可能だ。権力者が情報管理を強行して国民は管理下に置かれるのでは中国やミャンマーやナチスドイツの独裁体制のようなものだ。国民には権力者にとって不都合な真実を知る権利がある。
 似た事件があった。シーシェパードの高速艇が日本の捕鯨船に体当たりした事件だ。この事件の映像は公開された。山場は2つあった。衝突と逮捕の場面だ。今回の流出事件では逮捕の映像はまだ公開されていないが、政府が隠蔽しようとしているのはむしろこちらだという噂がある。
 船長を拘束しようとした際に海上保安庁の職員が海へ突き落とされ、更に中国船の船員がモリで突き刺そうとしている映像があるという噂だ。
 この噂が本当なら船長釈放の是非が改めて問われることになる。誰が釈放を命じたのかさえ曖昧にしている政府だが、もしこんな犯罪未遂があったのなら曖昧で済ませられなくなる。
 当初、民主党は前原外務大臣が「証拠のビデオがある」と発言するなど公開に前向きだった。船長の釈放後、急に秘密主義になったのは都合が悪い映像があることに気付いたからだろうか。こんな噂が流布することを防ぐためにも公開を前提にして検討すべきだろう。秘密主義は噂の元だ。